「将来の夢はアルバイトです、夜遅くまで働いて、アパートに帰ります」と言う次男が不安だ・・・


今日は小ネタ。小学校3年生の次男の話。

以前から、とにかく「努力が嫌い」と公言してはばからない次男。習い事として、バイオリン、空手、水泳、ヨット、アイススケート、英語(これは僕と妻が教えている)が少しずつ入っていて、嫌々やっているようには決してみえないのだが、兄が学年を追うごとに勉強が大変になっていく様子をみていて、漠然とした不安を感じているようだ。

この前、妻が寝る前の絵本を読んでいたら、突然ため息をつくので、
「どうしたの?」
と尋ねたところ、
「中学生になったら、この時間、まだ塾で勉強しているかもしれないんだよねえ」
と暗い口調で言ったそうだ。
「とりあえず、それはその時になったら考えればいい、今は温かい布団と絵本を楽しもう」
との妻からのフォローで、その時は納得したようだが、なるほど、子供ながらにいろいろな葛藤があるものだなあ、と少しせつなく感じた。

実は先月行われた小学校の授業参観でも、将来の夢を聞かれ、皆が「医者」だの「お嫁さん」だのと答える中、次男は、「アルバイトをして、夜遅くまで働いて、アパートに帰ります」と俯き加減に話し、見学していた保護者たちから遠慮がちな笑い声が漏れていた。
これはよくない兆候かもしれない。

先日家族で外食した際、いい機会だと思って次男に話しかけてみた。
「世の中には、学校の勉強をがんばったり、塾に行ったりはしなくても、活躍できる仕事もたくさんある。たとえば、ここみたいなレストラン。カウンターの向こう側で料理を作っている人は、コックさん。それを運んでいる、あのお兄さんは、ウェイターだ。こういう仕事はどう思う?」
「う~ん」
しばし考えた後、次男は言った。「料理するのは大変そうだけど、運ぶ仕事ならやってもいいかな」
「ウェイターだって、意外と奥の深い仕事なんだぞ。がんばって、一流のウェイターを目指してみるか?」
僕がそう水を向けると、すぐさまかぶりを振る次男。「いや・・・、それはちょっと。僕はウェイターのアルバイトがいいなあ」
あくまでも向上心のない奴・・・。
それ以上会話も続かずお互いに無言でいると、そのウェイターの手によって妻と僕にビールが運ばれてきた。
次男がうらやましそうに言う。
「ビールって、おいしそうだなあ。僕も大人になったら飲みたいなあ」
「いいねえ」と僕。「大人になったら、もちろん一緒に飲もうよ。場所はどうする? せっかくだから、このレストランで、っていうことにする?」
「う~ん」と次男は浮かぬ顔。「このお店は好きだけど、その時は僕も大人だから、お金を払うんだよねえ。払えるかなあ」
・・・どこまでもネガティブな奴。

そこで一転、「あ、そうだ!」と次男が目を輝かせた。「僕のアパートで飲もうよ。そうすれば安いから」
次男の表情が明るくなったのがうれしくて、僕も妻も、それはいい考えだ、ぜひそうしよう、と異口同音に盛り立てたのだが、それもつかの間、次男はすぐに低いテンションに逆戻り。
「でも僕のアパートは狭いから、3人も入れないよね」
いや、3人くらい入れるって、普通! 一体、「アパート」という言葉から、どんな住まいをイメージしてるのよ?
「キッチンも小さいだろうから、おつまみをつくるのも無理だろうなあ・・・」
大丈夫! つくれるはず!
それに、なんなら何か買って行くからさ!

なぜそこまで悲観的になる!? お前はまだ小学校3年生で、いくらでも可能性があるんだぞ!

そんな次男だが、先日、将来の夢を変えたと言いだした。
「やっぱりアルバイトじゃなくて、作家になる」のだそうだ。
理由を聞くと、
「お話を考えるのは好きだし、国語も好きだし」
いいぞ、いいぞ。
「それに、父さんをみていると、作家ってラクそうだし」
・・・あのねえ。

でも、将来の夢が作家なんて、子供らしくて素晴らしいじゃないか!
僕も子供時代の夢は作家だった。将来、貧乏でもいいから楽をしたいなんて、できれば子供には言ってほしくない。
でもなあ、次男よ。作家の道は楽じゃないぞ。
君は知らないだろうが、実は父さん、作家としては全然食えてないんだからな!(威張るか?)

ちなみに小学校1年生の三男は医者になりたいそうだ。彼は物覚えもいいし、兄弟の中では一番、いわゆる知育玩具にはまるタイプだから、がんばればなれるかもしれない。
親と同じ職業になりたいということは、当然ながら親のことを好いてくれているし、いい人生だと捉えてくれているのだろう。
僕の背中を子供たちがポジティブに眺めてくれているのなら、父親としてはとてもうれしい。
親心なんて単純なものだと自分でも呆れるが、あえてひねくれる必要もなさそうなので、ここは素直に喜んでいる。

ソ、ソ、ソクラテスか、プラトンか。
みんな悩んで、大きくなった!
君たちも、大いに迷い、がんばれよ!

父さんは ・・・ とりあえずブログも書き上げたことだし、コーヒーでも飲もうかな?
もう大きくなったし、ね。

(3年前のブログから転載しました。今はお陰様で次男の悲観癖もかなり改善しております 汗)


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さばかせていただく。。。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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