権威ある医学誌、The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE に掲載された論文。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2026913
要約すると、
集団的マスク着用は新規感染率を低下させるのみならず、ウイルスの暴露量を減らすことで、無症状感染者の割合も増加させるのではないかという仮説が成立する。例えばアルゼンチンのクルーズ船で発生した最近の集団感染では、乗客にはサージカルマスクが、スタッフにはN95マスク配られていたが、無症候性感染の割合は81%だった(一方で、乗員がマスクを着用していなかった以前のクルーズ船の集団感染では、無症候性感染者は20%にすぎなかった)。
米国の食品加工工場で最近発生した2つの集団感染では、すべての労働者に毎日マスクが配布され、マスクの着用が義務付けられていたが、500人以上の感染者のうち無症状感染の割合は95%で、軽度から中等度の症状を経験したのは5%にすぎなかった。
集団的なマスク着用は、感染率と疾病の重症度の両方を低下させる証拠が蓄積されてきている。
マスク着用で感染しにくくなり、感染しても無症状ですむ確率が高い。しかもそれで免疫も得られるようだ。
従来から言われてきた「感染者が周囲にうつしにくくする効果」だけでなく、「装着することによって感染を予防する効果」も想定されていたより大きいことが示唆されている。
マスクがもたらす多大な効果には、もはや疑う余地はなさそうだ。
と記されている。研究によると、布製マスクは10ミクロン未満のエアロゾルを含め、着用者のウイルス暴露を減らすこともできます。
といった知見が紹介されている。フィルターを追加してフィット感を改善すると、布マスクの機能がさらに向上。
サージカルマスクとの併用は効果大。
一層の単純な布製マスクでさえエアロゾルの半分以上をブロック。
フェイスシールドに保護効果はほぼなし。マスクと一緒に使用する必要あり。
北半球では寒くなるにつれ、室内での活動が多くなり、避けることのできない集団行動になることが多くなります。そのため特に屋内では、マスクを常に着用する必要性を継続的に強調することが重要です。
最近のエビデンスによると、SARS-CoV-2感染者の最大40%から45%は、症状がなくてもウイルスを感染させる可能性があることが示唆されています。症状のない人からのウイルス感染は、COVID-19アウトブレイクにおける感染イベントの50%以上を占める可能性があります。SARS-CoV-2を感染させる可能性のある個人は、症状の存在だけでは識別できないことが明らかになったため、地域社会でのユニバーサルマスクの着用による感染源管理が推奨されます。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。