合唱の危険度を考える―新型コロナウイルス


今日は合唱、あるいは「歌」の危険性についてまとめる。
合唱団での集団感染例は世界中で報告があり、こちらの記事がまとまている。
https://www.npr.org/2020/08/10/888945949/is-singing-together-safe-in-the-era-of-coronavirus-not-really-experts-say?ft=nprml&f=888945949

スカジットバレー合唱団の60人の歌手が2時間半のリハーサルに参加しました。そのうち53人がコロナウイルスに感染し、2人が死亡しました。
少なくともオランダ(102人が感染し4人が死亡)、オーストリア、カナダ、ドイツ、イギリス、韓国、スペインでは、合唱団でメガクラスターが発生しました。

スカジットバレー合唱団の件についてはこちらが詳しい。
https://first10em.com/covid-19-is-spread-by-aerosols-an-evidence-review/

最も有名な例は、おそらく2020年3月にワシントン州スカジット郡で行われた合唱練習です。61人が3月10日に合唱練習に参加し、そのうちの1人がCOVID-19に感染しました。残りの60人のうち、52人(87%)がその後病気にかかりました(32人はPCRによって確認され、残りは臨床的に診断されました)。部屋の椅子はわずか6〜10インチ離れていましたが、ほとんどの人はすべてではないにしても、ほとんどの夜、初発患者から数メートル以上離れていました。COVID-19は当時すでに既知の存在であったため、いくつかの予防措置が講じられていました(主に飛沫/接触の広がりに合わせて)。参加者の間に物理的な接触は報告されておらず、ほとんどの参加者は練習の直後に去りました。伝染の正確なメカニズムは確認できませんが、信じられないほど高い発病率は、接触や飛沫の広がりでは意味がなく、パターンは他の空中感染症とまったく同じように見えます。


日本でも福島県、岐阜県、兵庫県でクラスターが発生している。
先日のネット記事。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202011/0013893474.shtml

兵庫県市川町教育委員会は26日、町立市川中学校で新型コロナウイルスのクラスターが発生したと発表した。25日までに生徒20人と教職員2人の感染を確認。いずれも同じ学年で、軽症か無症状。今月下旬に校内で開催した合唱コンクールで感染が広がった可能性があるため、全校生徒約200人と教職員約20人、行事に参加した保護者約150人を対象に、27日までにPCR検査を実施するという。


なぜ合唱が問題なのか?
日本では中々一般的にならないが、この感染症は飛沫よりエアロゾル感染が主なのでは、とい認識がひろまりつつある。(参照;新型コロナウイルスは「空気感染」するの?
簡単にまとめると、エアロゾル感染が主経路である状況証拠はすでに揃っている。
・感染は屋外では稀
・換気の悪い場所で超拡散イベントが生じる
・無症状でも通常の会話で感染が生じる(会話でのエアロゾル曝露は飛沫の2000倍)
・医療従事者の感染が多い
逆に飛沫感染が主経路であることを示す証拠はまったくないのだ。

合唱に話を戻して「歌ったり話したりしているときに吐き出された呼吸粒子」というタイトルの論文。
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/02786826.2020.1812502

歌うことは話すことより多くの呼吸エアロゾル粒子と液滴を生成しました。呼気エアロゾル粒子と液滴は、歌の音量とともに増加しました。
プロの歌手は、知覚された通常の音圧で、アマチュアの歌手よりも約2倍多いエアロゾル粒子を生成しました。

とある。
スクリーンショット 2020-11-28 100403
論文中の上図に示されている通り、合唱では大声で話すより遥かに多くのエアロゾルが放出されるようだ。
写真や映像を見たい方はこちらから入れる。
https://twitter.com/music1984_20xx/status/1331930638950096901
これらをうけた協会側の反応はどうだろう?
実はガイドライン上、いまだに1.5m距離が取れればマスク不要となっている。
「少しでも活動をしたい」という欲求が先に立ち、冷静な判断ができなくなっているのではなかろうか?
JCAchorustaisaku-ver2-4_4.jpg
全日本合唱連盟は11月20日付けで分科会長および推進室長宛に「要望書」を提出し、「大声を出すことによるリスクとして合唱が例示されているが、合唱は単に大声を出す行為ではない」と抗議したとのこと。
https://jcanet.or.jp/corona-youbou.pdf
大きな声より、上手な合唱のほうが危険性は高いかもしれないとの認識はないようにみえる。

ではどのような状況なら合唱をしていいのか?
これは非常に難しい。
まず感染の拡大程度。日本海側の多くのエリアでは、ほとんど市中感染がない状態が続いている。そのような状況下では過度に活動を抑制する必要はないような気がする。
また屋外で、あるいは窓を開け放して屋外に近い状況にできるのなら危険性は低減されるはずだ。あるいは、全員がマスクを着用するのも効果は大きい(フェースガードではほとんど意味がない)。
しかしそれ以外の状況では、中止を呼び掛けざるをえないというのが僕の現時点での見解だ。
ちなみにアメリカの全米州立高校協会「パフォーミングアートのためのエアロゾル感染防止ガイドライン」では「ダンスも演劇も歌も楽器演奏も2mの距離をとった上でマスクをするように」とされている。
科学的に考えれば、当然こういう結論になる。
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合唱ファンの方々、そしてそれを生業にしているプロの方々は本当に気の毒だと思うが、ことは人命に関わる。
耐えて下さいとお願いするしかない。


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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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