“It is just a part of the game.” そう言って彼は笑った ~ ベニー滞在記


3年前の話。旧ブログより。

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カナダからベニーが遊びに来た。
ベニーは30年前、僕がロンドンに住んでいたころにアパートをシェアしていた相手で、僕よりも13歳年上だから、現在は62歳。
その年齢からは考えられないほどの、タフガイだ。

IMG_7829.jpg

前回我が家に滞在したのは、2015年の秋。この時はインドを中心に3か月の旅をし、その帰りに日本に立ち寄ってくれた。
今回は、香港→タイ→カンボジアを1か月かけて回り、最後に日本。
このふたつの旅の間にも、ベトナムを旅したり、フランス人の夫婦とハウスエクスチェンジをしてパリに住んだり、奥さんとふたりでヨーロッパをサイクリング旅行をしたりと、人生をとにかくアクティブに楽しんでいる。
ちなみにベニーは以前はかなり人気のあるレストランのオーナーだったのだが、経営がうまくいかなくなり廃業。現在は建築会社で働いている。
奥さんのジョアンは看護師。60歳を過ぎたので、正社員からパートタイマーになったそうだ。
ふたりともまだ仕事もしているのに、そして決してお金持ちではないのに、よくそんなに旅ばかりできるものだと思う。
そういう生き方は日本人の感覚では珍しくても、欧米なら普通にある話なのかな? と思い、仲のいい在日アメリカ人の友人に引き合わせたこともあるのだが、彼の感覚でもベニーは「ありえない人物」だそうだ。
なぜ彼ら夫婦はそんな生活ができるのか?
話していて僕が感じるのは、以下の点だ。

・楽しみを仕事より優先させる
・仕事において有能である(だからこれだけの長期休暇をとってもクビにならない)
・不動産を少し所有していて、これから支給される年金と合わせると、老後の生活を破たんさせない準備がしっかりできている
・経験にはお金も時間も使うが、物にはお金を使わない

これらにおいてベニー夫婦は本当に徹底しているし、僕と価値観も近い。

ベニーは生傷が絶えない。アイスホッケーをするからよくケガをするし、一昨年のベトナム旅行ではオートバイで転んで、肩を骨折したそうだ(だから今でも彼は両肩の高さがずいぶん違う)。
でも決して活動レベルを落とさないし、10年前よりも今のほうが健康だと笑う。
僕は彼と多くの価値観を共有しているが、そのあたりについては正反対だ。
痛みが苦手なのに加え、活動を制限されるのが不快なので、ケガを極端に嫌う。日々の活動は、水泳、軽いジョギング、ヨガと、負傷から縁遠いものばかりだ。
以前やっていたスキーやテニスをなつかしく思うこともあるが、ケガをするリスク、あるいはそこまではいかなくても、翌日節々が痛むことを考えると、無理にしないでもいいやとあきらめてしまう。
彼の滞在の最後の日、ふたりで寿司屋で飲みながら、そんな話になった。
「ベニーはいくらケガをしても、決しておとなしくならないじゃない?僕は逆で、痛みが苦手だから、ついリスクの少ないほうに行っちゃうんだよね。なぜそこまでケガに対してそこまでタフでいられるんだろう?」
するとベニーは短く答えた。
「It is just a part of the game (それだって、ゲームの一部だからね)」

ベニーの答えが、アイスホッケーでのケガに限局したものだったのか、それとも人生そのものをゲームに例えて語ったのか、今考えてみればよくわからない。
ただその時、いささか酔っていた僕には、彼の意図したことが腑に落ちたように思えた。
「Yeah, it should be a part of the game.」
そう返すとベニーは、少しおどけた顔をしてみせた後、僕の肩を叩いて大声で笑った。

彼のように、やや「ぶっ飛んだ」友人がいることは、僕にとってとても幸運なことだと思っている。
会うたびに刺激をもらえるし、自分の生き方についてあらためて考えさせられることも多い。

次に会うのはいつだろう?
彼が来るばかりで、僕のほうはずっとカナダを訪れていないから、今度は僕がカナダに行く番だとベニーはしつこく繰り返す。
バンクーバーまで8時間のフライトかあ・・・。
面倒くさいなあ(なんて言ってちゃダメなんだってば!^^)

せっかく時間はあるのだから、もう少しアクティブになるぞ!(多分)
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結果、ベニーを訪れることもないまま、新型コロナで海外旅行ができなくなってしまった。一時はあれだけ小さくみえた世界が、今はなんと広大なことか。

パーティーと旅行が何よりも好きなベニーはどうしているだろう?と気にしていたら、先日電話が来た。
あまり家から出られず暇だから、家を大規模に修理しているとのこと。先日は庭から2階に直接上がれるよう階段をつくったそうだ。

相変わらずのタフぶり、そして切り替えの早さに嬉しくなった。
僕も少しは見習わないとね(アイスホッケーは無理だけど)。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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