小学校4年生の三男が、展望ポイントに行きたいと言い出した。先日、友人と遊びに行った場所からの景色がよく、興味をもったようだ。
僕の地元にはそれらしき建物が3つある。ひとつは30階建てで、残りのふたつは20階建て。いずれも商業施設で、上階が展望台になっている。
いずれもが街中にあるので、距離としては4-5キロしか離れていないから、散歩がてら回ってみようということになった。
面倒くさがりの次男は「パス」と即答。ちなみに長男は高1で寮に入っている。
暖かい季節には三男が自転車、僕がジョギングでよく一緒に出歩くのだが、そういえば冬に入ってからはふたりで何かをする機会がなかった。
というわけで久々に三男とふたりでの外出になった。
子育てで気をつけているのは娯楽を押しつけるのではなく、子供たちがしたいことにつき合うこと。もちろん色々提案をするが、最優先事項は子供たちの関心だ。
自分がしたいことにそのまま親がつき合ってくれる経験は、子供たちの心にしっかり残ってくれるはずと思っている。
僕と妻はそのようなひと時を「プラス時間」と呼んでいる。子供の心の中に、親との思い出を積み立て貯金していくようなイメージだ。
子育てをしていれば誰でも知っていることだと思うが、彼らは決して天使ではない。ときに恐ろしく聞き分けがなく、どうにも手が付けられないこともある。特に小学校高学年からのギャングエイジ、中学生での反抗期はそれが著明になる。
そんなとき親がもつ唯一の武器が、この「プラス時間」だと僕は考えている。
怒ってばかりいる親の言うことなど、誰が聞きたいと思うだろう。でもいい時間の積み重ねがあれば、思春期な不安定な心持の中でも、子供たちは
「こいつの言うことなら聞いてもいいかな」
と考えることも多くなるはずだ(もちろん、いつもとは言わない)。
そういうときのために、子供が欲したとき、欲したやり方で一緒にいるようにする。個人的にはこの辺が子育ての肝という気がしている。
散歩がてら3つの絶景ポイントを回るという、たわいもない外出。それでも結局2時間くらいかかった。
そしてプラス時間の積み立てはその2時間では終わらない。帰った後もそのことで話は弾むし、三男は実にいい顔で妻や兄に道中の出来事を説明する。そのたびにチャリンと貯金される音が聞こえるようだ。
ほぼ歩きっぱなしだから三男はそれなりに疲れたようで、早い時間にテレビを見ながら寝てしまった。
寝顔をみながら、いい夢を見ているといいな、と思った。
子供たちが育ち、そして巣立っていくのはあっという間だ。
仕事が忙しく、子供たちに十分な関心を払えない日々から抜け出せたことは、僕の価値観の中で眩しいほどの輝きを放ち続けている。
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