富士レビオ・エスプラインの精度について査読付き論文を中心にまとめてみた。


昨日告知したとおり、富士レビオ製定性抗原検査キット・エスプラインについてまとめる。

ますはこちらの査読付き論文。
https://www.jiac-j.com/article/S1341-321X(20)30422-0/fulltext#

スクリーンショット 2021-03-01 111849

エスプラインで●が陽性。〇は陰性。
検体内のウイルス量が1000以上あれば概ね検出できている。これは高精度キットとして知られるアボット社のPanbioなどと同程度。
https://www.nature.com/articles/d41586-021-00332-4
ちなみに「人に感染させる」場合は通常数万コピー以上あることがわかっているので、「感染力の高い」人をみつける検疫目的であれば十分な感度といえる。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-333.html
http://modmedmicro.nsms.ox.ac.uk/wp-content/uploads/2021/01/infectivity_manuscript_20210119_merged.pdf
興味深いのは新型コロナ患者の検体ではあるもののPCRで検出できなかった57例(66-9)のうち2例が陽性になっていること。
有症状者の診断にエスプラインを用いた場合、一定程度「偽陽性」が生じるとされているが、そのうちの一部はPCR検査でたまたま検出できなかった検体であった可能性が示唆される(PCRは抗原検査よりずっと高感度だが、決して100%ではない。再検時にうまくウイルスを採取できなかった可能性は大いにある)。
ちなみに下記NIID資料では145例中、要再検査例1例。明らかな偽陽性は0。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai22/siryou1-4.pdf
偽陽性はかなり少ない、すなわち特異度は高いと考えてよさそうだ。
現在の指針ではスクリーニング目的で抗原検査キットを使用した場合、陽性時はPCRで再検となっている。
和歌山県では10万人規模で実施される予定だから、特異度についてのより正確なデータが今後集積されそうだ。

こちらも査読付き論文。
https://www.mdpi.com/1999-4915/12/12/1420/htm
日本製抗原検査キットを比較し、エスプラインはイムノエースSARS-CoV-2(タウンズ)およびクイックナビCOVID19Ag(デンカ)よりも優れているとの評価。

スクリーンショット 2021-03-01 113945

この表をみると特にクイックナビはCt値20-25のものを多く逃しており、スクリーニング目的であっても利用はむずかしいかもしれない。
ところが国産製品で批判されるのは決まってエスプラインで、クイックナビを批判する声は聞いたことがない。となれば「ろくに調べもせず主張しているだけなのかな?」と勘繰らざるをえない。

かなり前のものだが、アボット社Panbioの方が高精度という論文も確かにある。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0009898121000553

スクリーンショット 2021-03-02 094640

しかしこちらの新しい論文では逆に、エスプラインのほうが高精度との結果になっている(ただしプレプリント)。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2021.01.27.21250659v1.full


スクリーンショット 2021-03-01 114751

これらの知見を並べて検討すれば、どれがより高感度かについては議論の余地が残るが、一部の人が主張する「エスプラインは精度が悪く使い物にならない」との見解には確たる根拠がないと考えるのが普通だろう。

エスプラインの精度について、大体ご納得いただけただろうか?
これについては過去にも他のデータを用いて2記事をまとめているので、興味があれば覗いてほしい。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-348.html
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-335.html

最後に、なぜ富士レビオの社員でもない僕がここまでエスプラインを擁護するか。
僕は現在、日本における最大の脅威はあちこちで確認されているイギリス型変異株だと考えている。これを封じ込められるか否かは時間との戦いであり、できるだけ早急にそれらの地域で検査を拡充するべきだ。
日本にはインフルエンザとのダブル流行に備えて生産をいそいだ1250万ものキットが残っており、3次補正予算で政府が買い上げることになっている。これを活用しない手はない。
「抗原検査は精度が低いからダメ」
「海外製品じゃないとダメ」
などといった悠長かつ誤った意見に固執し、感染源対策を留保している場合ではないのだ。

このままだと第4波は変異株が中心になる可能性が大いにある。
抗原検査抑制論者の皆さん、その辺の覚悟はおありかな?



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甘味。
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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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