達成国を観察すれば見えてくる「ゼロコロナへの成功法則」


昨日予告したとおり、日本でコロナ収束国のマネが難しい理由。
簡単だ。成功国の軌跡をたどってみればいい。
主に昨年11月のブログ記事から引用する。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-270.html

まずは台湾。

日本と台湾の大きな違いは、4/1時点で検査陽性者約300・検査数延べ33000・隔離者は10万以上、言い換えれば、陽性者の300倍・検査数の3倍もの隔離をしている、その隔離ポリシーにある。「日本は台湾に学べ」というなら、台湾CDC自ら「自己隔離すれば検査は必ずしも必要ない」と広報し、実際に検査数の倍の人数を検査一切なしで隔離した、その隔離ポリシーをこそ学ばなければならない。

つまり1人陽性者が出たらその周りを300人以上隔離するということ。これが日本でできるだろうか?
ベトナムも似ていて、とにかく隔離の仕方が広範囲だ。

見事だったのが感染者の追跡だ。
感染者との濃厚接触者はすべて政府の用意した施設で隔離。さらに濃厚接触者の接触者までも自宅隔離(アプリでの監視あり)。
SARSや鳥インフルエンザで苦しんだ経験が、しっかりと生かされていたというわけだ。

この徹底した隔離政策を僕は勝手に「アジア流」と呼んでいる。であればこれらの国々より人権が重視されているはずのオーストラリアではどうか?
実はかなり過酷なロックダウンをしている。

ヴィクトリア州政府は7月初旬、1日あたりの感染者数が100人を超えたことを受け、メルボルンに2度目のロックダウンを敷いた。感染者数は約1カ月後にピークをむかえ、その後減少し始めた。
感染がメルボルン市外にまで広がったため、州内のほかの地域にも在宅制限が導入された。市内では夜間外出禁止令のほか、屋外での運動が1時間以内に制限され、自宅から5キロメートルを超える移動が禁止されるなど、市民は最も厳しい措置に耐えることとなった。
ほとんどの小売店やレストラン、職場の閉鎖は続いており、ほかの世帯を訪問することも禁止されたままだ。この世界的に最も厳格なロックダウンをめぐって市民の間で意見が割れ、小規模な抗議行動が起きた。ここ数週間では、多くの経営者らが州側に経済活動の再開を求めているが、州首相の慎重な姿勢を支持する声もある。

メルボルン圏でのロックダウンは7月7日からで、その日の感染者数は191名。これを封じ込めるのに数カ月かかり、ロックダウンが解除されたのは11月9日。
本当にゼロコロナを目指すなら、このような血のにじむ努力が必要なのだ。
しかも成功国はこれらの過酷な政策を「感染拡大初期」に行っている。それでも大幅な私権制限が必要とされた。
日本のように感染が市中に蔓延した後でゼロコロナを達成した地域は世界にあるのだろうか?
たったひとつ、ある。
武漢だ。
「やればできる」という能天気な精神論でゼロコロナを訴えている人には、ぜひここで背筋を寒くしてほしい。
本当にあれを日本でやりたいと、そしてできると考えるのか?

立憲民主党の枝野代表は、「今の政策で感染者数をさらに減らし、その後は接触追跡と周辺の一斉PCR検査でゼロコロナを達成する。台湾、オーストラリア、ニュージーランドはそうやって成功している」と語っている。
この論理に欠けている点が2つあることに気づいて頂いただろうか?

・成功国は感染拡大初期にそれを行った
・検査拡張だけでなく、過酷なロックダウンか大規模隔離のどちらかを併用した

これらを踏まえなければ、まったくの空理空論だ。
「立憲民主党の政策でゼロコロナは達成できない」と証明することはできない。僕に言えるのは、その程度の政策で成功した例は世界中探してもありませんよ、という事実だけだ。
1月の国会でコロナ特措法が改正されたが、休業や営業時間短縮要請違反に刑事罰を科すことは、立憲民主党の反対で見送られた。
「ゼロコロナ」を目指しましょう。でも「私権制限」はほどほどに。これをポピュリズム以外の何と呼べばいいのか?
もし立憲民主党が「感染がすでに蔓延した日本でゼロコロナを目指すには、多大なる私権制限に耐えて頂く必要があります。十分な補償をするので国債発行額はすさまじいものになります。収束後は大増税が必要でしょう。それでもゼロにする意味はあるのです」と訴えれば、理解はする。
支持はしないけどね。
明日は「旧ゼロコロナの国や地域」に注目したい。
どこのことか、ぴんとくるかな?



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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