FIREでよく言われる「4%ルール」には、もちろんインフレも納税も加味されてますよ~批判記事にお応えして 1


最近、話題のFIRE(経済的自立早期リタイア)に思うこと」との記事を読んだ。

たまたまSNSで流れてきたのをみつけただけで、筆者であるDabo氏の記事を読むのは初めてだが、文章からは知性が窺える。考えの足りない人が書き飛ばした記事なら端から真面目に読まないのだが、そうではない分、飛躍の多い論理展開が気になった。
自称・アーリーリタイア作家の僕としてはこのような記事を放置するわけにはいかないと、勝手に引用の上、反論記事を書いてみる(ご本人の目に留まったらゴメンナサイ)。

ネットを見ていて思うことの一つとして、「インフレを想定している人は少ない」のを感じます。
これって、私にしてみると「日本人特有の傾向」だと思っていて、「インフレが起きていないのは日本だけ」と言っても良いのに、これを想定していないのはアホとしか言いようがないと思うんですよ。これって今の若者だけじゃなくて、年寄りも「インフレの怖さを知らない」人は多いと思っています。

収入があれば必ず納税しなくてはならないのは世界の決まりで、なぜそれを無視して「一億円を4%で回して・・・」とか言うのだろうか。


インフレや税金を無視してFIREを計画する人がいるとしたら、Dabo氏が指摘するとおり「アホとしか言いようがない」のかもしれないが、世の中、本当にそんなアホが多いのだろうか?(全体を通して、Dabo氏はFIRE希望者のほとんどが『アホ』との前提に立っているようだ)

Dabo氏の文中に4%という数字が出てくるが、そもそも4%ルールとは何なのか? 下記記事から引用して紹介する。
https://upu.bk.mufg.jp/detail/1017

4%ルールとは?
「4%ルール」は1998年に米トリニティ大学のグループによって発表された資産運用に関する研究から導かれたものです。
これは、毎年、資産運用額の4%未満を生活費として切り崩していれば、30年以上が経過しても資産が尽きる確率は非常に低いという内容です。どのようなポートフォリオ(資産構成)にするかなどによって数字は変わってきますが、おおむねこのような意味になります。
この4%ルールは、アメリカの一般的な株価の成長率(7%)から物価上昇率(3%)を差し引いて計算されたもので、要は投資で得られる利益の範囲内で生活を続ければ、半永久的に資産が目減りすることなく生活ができるという考え方です。

もちろんインフレは織り込み済みだし、切り崩すときにかかる税金もこの手法では加味されている。4%は1年で解約していい所有株の割合であり、使っていい額ではないのだ。
世界株ポートフォリオに分散投資するなら、年によって変動は大きいものの、最終的にはこの辺の利回りになると考えられている(この辺は自著、『アーリーリタイアのすすめ』でも詳述している)。
日本で将来的にインフレが生じたとしても、インフレ率が高くなれば(長期的には)相対的に円は安くなるから、しっかりと分散を聞かせれば恐れることはない。
そしてこれまた当たり前の話だが、課税されるのは株への投資で得た利益の20%にすぎない。買値の倍になっていたとしても、売却額のたった10%。よほど大きな利益が出ているのでない限り、大した納税額ではない場合がほとんどだ。
ちなみにこの4%ルールは一般の退職時にも有用とされている。
1年間に必要な生活費から年金受給額を引き、それに25を乗じた額を貯めれば、退職後に元本を減らさずに生活できるというわけだ。

収入があれば必ず納税しなくてはならないのは世界の決まりで、なぜそれを無視して「一億円を4%で回して・・・」とか言うのだろうか。

とのDabo氏の批判は、その辺の理論を知らずに展開されているようにみえる。

それにそもそもDebo氏はFIREの基本的理念をご存じないようで……。
明日はそれについて書きたい。 








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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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