能動的趣味こそ幸せに繋がるであれば、アーリーリタイアは圧倒的に有利ということになる

前回、より多くの幸福を感じるためには、増やすのではなく、今現在「ゼロ」のことを始めたり、新たに獲得したりすることが大切だと書いた。
今回はどのような活動や趣味が喜びに繋がりやすいのかについて、データを元に書いてみたい。

幸福学における研究により、能動的な趣味の方が受動的なものよりも幸福度を上げることがわかっている。
例えばテレビを見る、映画を見る、買い物をするといった娯楽は受動的趣味にあたり、あまり幸福度には貢献しない。
自由時間の良し悪しは、いかに充実した時間を過ごせるかどうかにかかっているのだから、安心してリラックスすることができる反面、やりがいや目的が希薄で、達成感が少ない受動的趣味は、幸福にあまりいい影響を及ぼさないというのもうなずる話だ。
特にテレビの視聴時間と生活満足度との関係については、ヨーロッパ22か国で社会調査がなされており、テレビを見る時間が短い人のほうが有意に生活満足度が高いのだそうだ。
一方でテニス、ゴルフなどのスポーツをする、楽器を演奏する、読書をするといった、積極的な行動を必要とする娯楽は能動的趣味にあたり、脳にいい刺激を与え幸福度を高めることがわかっている。
しかしながら、実際の余暇の過ごし方に関するアンケート調査をみると、インターネット、テレビ・DVD鑑賞、ショッピングといった受動的趣味が上位に並び、読書、スポーツなどの能動的趣味は下位に押しやられているのが現状だ。
そして半数近い人が余暇に満足していないと答えており、その理由として、時間が足りない、費用がかかる、疲れていて行動できない、といったことを挙げている。
テレビを見ることもSNSをチェックすることも、安くて簡単だし、そこからそれなりの楽しみを享受することもできるだろう。
しかしやりがいを見出すことはできないし、それらの行為に長時間を費やした後は徒労感だけでなく、無為に時間を消費したことからの自責の念すらも生じがちであることは、皆さんも身に覚えがあることと思う。

能動的趣味にはそれなりの努力が必要とされるし、忙しい日々が続けば、それは容易ではない。
僕自身、ジョギング、水泳、テニスといったスポーツに加え、読書をしたり、外国語を勉強したりといった具合に、現役時代からできるだけ能動的趣味をもつようにしてきたが、それでも仕事が忙しい時期には、だらだらとテレビの画面を眺めて過ごす夜が続くこともあった。
今は以前よりもはるかに時間的余裕があるにもかかわらず、ほとんどテレビを見ることはない。不思議と興味が湧かなくなってしまったのだ。テレビを見る時間が逆に減るなどということは、リタイア前には想像もしていなかった。
また、現役時代は少し時間が空くと、半ば癖のように株価をチェックしたり、インターネットニュースを眺めたりしていたが、リタイア後はそういったこともほとんどしない。
インターネットを頻回に開く習慣は、それが本当に好きだったからではなく、単なるストレスの捌け口であり、さらに言えば、余暇をより充実させるために必要な、時間的、そして精神的余裕がないことからくる代償行為だったのだろう、と自分では思っている。

逆に、運動のための時間はかなり増えた。
週に4~5日、1回30分から1時間程度の運動をすることは、体力を維持するためだけではなく、精神を安定させるためにもとてもいい影響を及ぼすことが、それこそ、ちょっとした精神安定剤並みの効き目があることがわかっている。
忙しい仕事を抱えながら定期的に運動をし続けることは容易ではないが、リタイアさえ果たせば1日に1時間を確保することなど、わけもない。

今までも散々書いてきたとおり、僕が新しくはじめた趣味や活動は能動的なものがほとんどだし、本やブログの執筆などは、能動的趣味の極みといっていいはずだ。
確かにテレビを見るよりも努力がいることに間違いはないが、そこから得られる喜びの大きさは、受動的趣味とは比べものにならない。
脳にびしばしと刺激をうけながら、日々、新たなる挑戦を楽しんでいる。

以上、3回にわたって、アーリーリタイア後の時間の過ごし方について、書いてみた。
自著、”幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ”では、アーリーリタイア達成法の他に、今回書いたような、幸福学的に有効とされるリタイア・ライフの過ごし方についても、かなりのページを割いている。
手にとってもらえる機会があれば、うれしい。


  書評  アゴラ言論プラットフォーム   医師会報

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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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