5月7日、緊急事態宣言が延長される際、「余った大量の抗原検査キットを医療機関や高齢者施設へ配布する」との発表がなされた。
https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20210507/1000064054.html僕が以前から主張していた内容と近いものとなっている。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-419.htmlその後の西村担当相との会見で、尾身会長はさらに踏み込んで以下の発言をしている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2cf0c7e458ac099690a9ccfa252ac6c9e94f3604「PCR検査よりも安価で素早く結果が得られる抗原検査を拡大すべき」
「PCRが陽性でもウイルス量が小さい人は、あまり他の人に感染させない」
「抗原検査はウイルス量の多い人に対する感度はPCRとほとんど変わらない」
わかってきたじゃない!と思いきや……
具体的なやり方はというと、
「簡便で結果がすぐに分かる抗原検査キットを活用して軽症状者を検査し、感染が確認された場合、その周辺の無症状者に対し広範なPCR検査をすることで大きなクラスターを防ぐ」
とはなはだ中途半端なものであった。
https://www.sankei.com/life/news/210507/lif2105070077-n1.html無症状者への頻回抗原検査ではなく、有症状者に限った対応で、これでは物足りない。
尾身氏自身が以前からの「事前確率の低い検査は不必要」という自説にこだわり、世界での新しい知見に目がいかなくなっているのでは、と感じている。
そもそも従来株であっても「感染性が高い人」を捉えるには抗原検査で十分だ。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-333.htmlそして下は東京都世田谷区の施設入所者らに実施している無症状者への検査結果。
https://www.asahi.com/articles/ASP4X7G4PP4WUTIL03T.html4カ月分の陽性78件を分析したところ、3割の27件はCt値が小さく、感染性が高いことがわかった。
と報告されている。
先日の報道1930で用いられた、それに関してのフリップ。

Ct値35だと少し厳しが、33-34以下なら基本的には抗原検査で検出可能だ。
この低Ct値の感染者を隔離できればクラスター発生リスクはぐっと低くなるし、それには抗原検査の感度で十分なのだ。
しかも現在流行の主流になったイギリス型変異株では、以前より感染者のウイルス量が多いことが指摘されている。
https://twitter.com/kenmomd/status/1387740441341095938これが感染性が高く重症化しやすい主な理由であり、もちろん喜ばしいことではないのだが、抗原検査の感度での検出がより容易になったと言ってもいいだろう。
海外では抗原検査が普及していることは以前から再三書いている。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-401.html最近注目されたのはスペインでのライブ。
https://jp.reuters.com/article/health-coronavirus-spain-concert-idJPKBN2CF023スペインのバルセロナで、新型コロナウイルスの簡易検査で陰性だった5000人が社会的距離(ソーシャルディスタンス)を取らずにライブコンサートに参加するという実験が行われ、主催者によると、2週間後も感染者の急増は見られなかったという。
入場口で簡易検査を行い、陽性だった6人は入場させず、陰性者だけでイベントを行い、はっきりした感染拡大はなし。
実に科学的だし、日本こそこれをやるべきというのは以前から訴えてきた通り。
PCR検査の拡張にすぐれ、いつでも誰でも無料でPCR検査が受けられる韓国でも、簡易抗原検査キットの市販がはじまった。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000214064.html1回1000円と有料だが、わざわざPCR検査会場へ行き、並ぶのが面倒という人にはもってこいだろう。それこそ店舗経営者がまとめて購入し、スペインでの実験のように、飲食店での入店チェックに用いることだってできそうだ。
イギリス型変異株と戦うのに、いままでのように国民の自粛任せでは効果は不十分。
感染源対策としての簡易抗原検査拡張を、今後も訴えていきたい。
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