アーリーリタイア後、ボランティア活動をするのはどうだろう?

先日、カナダ人の古い友人と、久しぶりにスカイプで話をした。

僕はアーリーリタイア後、飲みに出て人に触れ合うような機会は少しずつ減ってきていた(コロナ禍に関わらず)。
ストレスがたまらないから、ストレス発散の機会が必要ないというのが大きな理由だ。
酒場で飲むより、ひとり自宅で映画を観たり、本を読んだりしながらグラスを傾けることを好むようになった。
そのことを話すと、友人は少なからず驚いたようすで、
「てっきりリタイア後は、もっと遊びに出ていると思っていたよ」
と目を見開いた。

確かにそんな時期もあった。
だが安易で生産性が低く、自身の向上に結びつきにくい遊びは、飽きがくるのも早い。
外で飲めばつい飲み過ぎることも多いし、もちろんお金もかかる。
家でリラックスしながら飲めばすぐ眠くなってベッドに直行だから、健康にもいいようだ。

「ということは、あまり人と関わっていないんじゃないか?」
と彼は身を乗り出してくる。
確かにその通り。家族以外との会話は、今の生活の中ではほとんどない。
「う~ん」と彼は渋い顔だ。
「それはよくないような気がするなあ。たとえばボランティア活動でも始めたらどうだい? 地域のために活動するのは、素晴らしいことだと思うよ」

友人の実に欧米人らしいアドバイスに、思わず笑ってしまった。
こういう発想は、あまり日本人にはないと思う。
欧米人にとってボランティア活動はとても身近であり、重要だ。
それに、そのような活動に参加することが参加者自身の幸福につながることは、最近の幸福学の研究でわかってきている。
彼は幸福学やポジティブ心理学に詳しいから、もちろんそれらの知見を踏まえた上でのアドバイスなのだろう。
(そういえば、僕が初めて出会った『日常的に瞑想する人物』は彼だ。もう30年も前の話になる)

もちろん悪いアイディアではない。
でもとりあえず僕は、ボランティア活動に参加するつもりはない。
理由は単純で、そもそも僕は医師だったからだ。

医師というのは、患者さんを助けるのが仕事だ。
ボランティア活動をするくらいなら、医師の仕事を続けていた方がよほど社会の役に立ちそうだ。

僕は大学を卒業以来、ずっと医療に従事してきた。
そし40歳代も半ばになり、残りの人生は毛色の違うことに挑戦してみたいと考え、アーリーリタイアしたのだ。
違う分野での勉強。
執筆といった、クリエイティブな活動。
自身と向き合うための、瞑想。
ようやくそのような境遇を得ることができたのに、そこでボランティア活動を始めるのでは、元いた場所に逆戻りになってしまう。

というわけでボランティアのアドバイスは不採用になったが、その他にも、仕事と幸福との関係などについて様々な意見交換ができ、とても楽しい会話になった。
幸福学の研究では、友達の数の多さは幸福につながらず、いろいろな種類の人とつきあうことのほうが重要だとされている。
そういう意味でも、僕に彼のような外国人の友人がいて、時おりこのような刺激を与えてくれることは、とてもありがたいことだと思う。

幸福については1冊の本にまとめているので、興味があったらぜひ手に取ってほしい。
幸福学のみならず、仏教、哲学の名言も織り込んだ自信作だ。



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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