広島の無症状者PCRはとん挫。防疫目的ならやはり抗原検査でしょ!


今日は久々に新型コロナにおける抗原検査について。
基本的な知識や海外での情勢については下の過去記事を参照してほしい。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-419.html

無症状者へのスクリーニング検査は抗原検査のほうが適していて(というのが少なくとも欧州の潮流)、理由は安価で結果がすぐわかり、自分で自宅でできるから。
一方でPCR検査は感度は高いが、採取場所に行くのが面倒、高価で結果がわかるまで時間がかかる(その間に周囲に感染させてしまうリスクがある)、過程が多いため目詰まりが起きやすい、といったデメリットがある。
昨夏、ニューヨークで「いつでもどこでも何度でもPCR」の検査体制を構築したが、じきに目詰まりが起きて機能しなくなったことはご記憶の方も多いだろう。
最近の日本では広島が同様の失敗を犯している。
以下、記事からの引用。https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1393461869487087616

広島県は13日、新型コロナウイルスの無症状の感染者を早く発見するために広げたPCR検査態勢の見直しを始めた。感染者の急増で優先して検査すべき接触者たちが増え、能力が限界に近づいているためだ。広島、福山両市の事業所向け集中検査と、薬局での検査キットの配布は同日までに一時停止し、再開時期は未定という。感染者の急増を読み切れず、独自の拡大戦略が足踏みしている。

半年以上前の失敗事例から学ぶことなく、まさかそのままなぞるとは。
いくらなんでも不勉強ではないだろうか。

やはり目詰まりしにくいのは抗原検査。下は京都での取り組み。
https://mainichi.jp/articles/20210514/k00/00m/040/054000c

障害者施設職員600人に週2回抗原検査 京都市が実証研究
京都市は市内18カ所の障害者入所施設の職員約600人を対象に、新型コロナウイルスの抗原検査を週2回実施する実証研究を始める。クラスター(感染者集団)発生のリスクが高い施設で定期的に検査することで、感染の可能性を早期に把握し、クラスターの防止を目指す。期間は2カ月を予定している。
抗原検査のキットを開発した東京バイオマーカー・イノベーション技術研究組合(TOBIRA、東京都千代田区)と足立病院(京都市中京区)、市の三者が13日、市役所で協定を締結した。

記事にはないが、キットは1回750円と安価で提供されるらしい。
まさに僕が以前から主張してきた「安価な頻回抗原検査」だ。

しかし日本での抗原検査キット供給量もまた、まだまだお寒いようで…
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210515-OYT1T50150/

PCR・抗原検査、緊急時は1日77万件の分析可能に
厚生労働省は14日、新型コロナウイルスのPCR検査や抗原検査について、感染者が「第3波」のピーク時の2倍に増えるなどの緊急時に、全国で1日に最大77万件の分析が可能との集計結果を公表した。通常時も最大61万件分析でき、昨年11月時点の最大54万件から増えた。
厚労省は今年4月初め、変異ウイルスの流行などに伴う感染拡大に備え、各都道府県に対して、民間検査機関や医療機関での検査体制の強化を求めた。今回は都道府県がまとめた検査数を合算した。
緊急時には全国で1日44万人の検査需要を見込む一方、分析はPCR検査が45万件、簡易キットを含めた抗原検査は32万件可能と分かった。

PCR検査の拡張が難しいのはわかるが、抗原検査のほうも1日たった32万件とは。
イギリスで全国民に週2回、無料で提供されているのと比べると、圧倒的に遅れている。
国が音頭をとって各メーカーに増産を要請すれば改善されるはずなのだが、政権に検査拡張の意志が乏しい現状では難しそうだ。

そんな中、この取り組みは評価したい。
https://mainichi.jp/articles/20210528/k00/00m/040/155000c

政府、抗原検査キット80万回分配布へ 大学や専門学校など対象
西村康稔経済再生担当相は28日、新型コロナウイルスに関する基本的対処方針分科会で、大学、専門学校、高校、特別支援学校などを対象に最大で約80万回分の抗原検査の簡易キットを配布する方針を明らかにした。
西村氏は「新規陽性者の半数以上を占める若い世代の感染を防いでいく。そして多様化しているクラスター(感染者集団)の大規模化を防ぎ、医療の逼迫(ひっぱく)を防ぐ」と強調。「可能な限り早く配分し、『少し具合が悪い』という軽症状の方々に積極的な検査を実施したい」と述べた。

自粛を嫌う若者から感染が広がるケースは世界中でみられている。
検査対象を有症状者に限ったのは残念だが、抗原検査キットの供給量が十分でない中では致し方ない。そのほうが効率がいいのは確かだろう。

無症状者からの感染が問題になるこのウイルスにおいて、防疫目的で無症状者を検査することには大きな意義があるはずだ。
さらに検査が拡張されることを期待したい。




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おやつ。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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