いまだに空気感染と換気が軽視され続けている日本。専門家たちよ、本当にいい加減にしなさいよ。


新型コロナウイルスは空気感染する。いや、むしろそれが主体だろう。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-420.html
だから屋外での感染報告は少ないし、感染防止策として換気は非常に重要になる。
しかし日本では感染症専門家がこぞって「空気感染しない」と主張し続けているため、換気の重要性があまり理解されていない。
今日はそれを象徴するような残念な事例を報告する。

【共有パソコン消毒せず クラスター発生の事例も】
https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1395939930178686978
残念ながら元記事は消されてしまっているが、岡山県でのクラスター。
感染者が共用パソコンを使用していたことから、それを消毒しなかったのが原因と考えられているようだが、再三書いて来たように接触感染は少ないとされている。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-403.html
普通ならまず疑うのは空気感染だろう。時間帯は違っていても、活性ウイルスを含む微小な滴は空中に一定時間以上停留することがわかっている。
ところが記事には(つまり保健所の発表にも)空気感染の記載もなければ換気の有無にも触れられていない。
空気感染という概念が頭の片隅にさえないようだ。

下はテレビ番組で紹介された「徹底的に対策をしたのに感染してしまった」との例。
https://news.yahoo.co.jp/articles/29563abd7841377b113a7f8637eadda71d8bf4c0

番組では、友人に会わず会食もせず、常にマスクを着用。仕事中の昼食は定員1名のアクリル板付き休憩室を利用と完璧な対策を取っていたように見える20代女性が感染した例を紹介。内科医・大谷義夫氏が室内にウイルスが残っていた可能性を指摘した。

大谷氏が指摘する通り、滞留したウイルスを含む滴から感染した可能性が高い。
世界中で報告されている空気感染。ところが日本ではその認識に乏しいので、「徹底的に対策をしたのに」となる。
換気をしていない以上、ちっとも「徹底的」ではないことに気づいていない。
これだけ気をつけて生活していたのだから、この女性が空気感染について知っていれば未然に防げた可能性が高い。
残念だし残酷だ。

【ワクチン予約コールセンターで集団感染】
https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1401003270512934912
「50人以上が感染」したのなら普通に考えれば空気感染だが、記事中に換気についての記載はなし。
専門家も保健所もマスコミも、換気の重要性がまったくわかっていない。

「GW中BBQクラスター3件」
https://news.yahoo.co.jp/articles/36e3a83e02d16701b419b649856b3816e7a3b200
岐阜県からBBQの危険性を訴える記事が出ているが、屋外ではリスクは低いはず。
本当にBBQだけなのか、移動時に車内でマスクを外したり、屋内で過ごしたりはしていないのかなどについては、まったく踏み込まれていない。
これは昨夏(!)に論文で掲載された図。実にシンプルでわかりやすい。
https://www.afpbb.com/articles/-/3302874

スクリーンショット 2021-06-03 104129

マスク未着用、大人数、屋内、声量大、長時間ならリスク大。逆ならリスクは小さくなる。
これに沿った啓蒙がなされるべきなのに、日本はあまりにも非科学的かつ場当たり的。
欧米は「飲食店も屋外ならOK」という政策がよくとられる。はるかに低リスクであることがわかっているからだ。
やみくもに「ダメ!」ではなく科学的な説明が必要だ。なぜ飲食店内は21時までならOKでBBQは自粛を求められるのか?
僕なら
「BBQは対人距離さえ確保できれば比較的安心です。時間が長くなったり酔ったりするとつい警戒が緩むので注意してください」
とアナウンスする。
やみくもに我慢をしいればいいというものではなかろうに。

政府コロナ分科会の尾身茂会長は21日、記者会見で【空気感染】についてこう語っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/cccc02e3429968bbab13494b68e4c40527ddd940

「ちょっとすれ違って感染する、そういうことが私は起きていないと思う。それが起きているなら、いまこんな感染の状況では絶対にない」
「起きていれば、東京が上げ止まりなんてことは絶対ない。それは起きていない」

いまだに感染経路と感染力の区別がついていない。
空気感染が起こるか否かと感染力とはまったく別物だというのに。
たとえば百日咳は非常に感染力が強いことで知られているが、主経路は飛沫感染だ。

換気の必要性が認識さえされていれば、どれだけの命が救われ、どのくらいの経済活動が許容されてきたのだろうか。
専門家を自称する無責任なアマチュアたちよ。
あなたたち、本当にいい加減にしなさいよ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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