10年ぶりに株比率を引き下げ現金を増やしたのを機に、インフレリスクについて考えてみた。


先週、世界株に分散投資をしているインデックスファンドの保有額を減らしていると書いた。
現時点で僕の株式口座のうち46%がMSCIコクサイ・インデックスで54%が現金(ちなみに妻の口座は目一杯勝負なので、併せるとまだ株の方が多い)。
これだけ書くと株の保有割合がまだそれなりに高くみえるが、僕の金融資産には株式口座の他に貯蓄型の生命保険がある。
これは将来的に少しずつ解約しながら生活資金に充てていく予定のものなので、使い勝手としては定期預金に近い。
それらも含めた金融資産(と呼ぶと仰々しいが、他に言いようもない)に占める現金の割合が、ここ10年で経験していないほど高い計算になる。
「現金が主体なら安全でいいんじゃない?」と思う人もいるかもしれないが、とんでもない。現金主体の金融資産は「インフレ」に対し脆弱だ。
ご存じのとおり、今は預貯金をしても金利はほぼゼロなので、インフレの分だけ確実に現金の価値は目減りする。
現在、すでに進行している資産インフレはすでに持ち家がある僕に実害はないが、もし今後、日米の金利差拡大に伴い円安が進めば、消費者物価が上昇してくる可能性も否めない。
僕はすでにアーリーリタイアしており、今後収入が増えることは期待できないから、現在もっている資産で残りの人生を乗り切る必要がある。
たとえ1%のインフレでも10年なら10%現金の価値は目減りすることになり、アーリーリタイア後の生活に影響がでる可能性がありそうだ。
株式はインフレに強いため、今まではろくにインフレリスクを考えることはなかったのだが、株式の保有割合を減らした以上、そのリスクも真剣に考えざるをえない、というわけだ。

というわけでインフレ対策。
まず思いつくのは物価連動国債だが、これは決して「物価と連動した商品」ではないことに注意。こちらのブログがわかりやすい。
http://www.tsurao.com/archives/2014-10-23-1820127

■市中の金利変動の影響を受ける
元金は物価に応じて変動しますが、利率は固定ですので、当然に市中の金利が上がれば債券価格は下がりますし、市中の金利が下がれば債券価格は上がります。
■「物価連動債=インフレに強い」は誤解を招きかねないかも
インフレ対策として物価連動債が取り上げられることがありますが、これは少し危ない表現だと思います。
上にも書いたように第19回物価連動国債の発行価格は大幅に額面額を上回りました。これは、「将来がある程度のインフレになる→だから物価連動国債の想定元金額も上がるだろう→少し高めに買っておいても儲かるだろう」というインフレ予想があるからです。
つまり、将来にインフレが予想されている場合には、それは債券価格に織り込み済みであり、予想通りのインフレになったとしても儲かるわけではないと言えます。
仮にインフレであっても予想を下回る程度の場合は、通常の債券に負けかねません。あくまで予想されていたインフレ率よりもインフレ率が高くなった時、通常の債券よりも儲かるのが物価連動債です。

ざっくりいうと物価連動債は、インフレに比較的強い国債にすぎないことになる。金利上昇に弱く、そして日本でこれ以上金利が下がる可能性は低い。
キャッシュ・オンリーよりはましだろうが、これをもっていればインフレヘッジは万全、というような商品ではないのだ。

となると、もつべきはコモディティ(商品)……か?
コモディティにはどうも投機的なイメージがあり、今まで勉強をしたことがない。
自分なりに調べた上で、明日、結果を報告するつもりでいる。




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軽食。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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