ざっくりいうと物価連動債は、インフレに比較的強い国債にすぎないことになる。金利上昇に弱く、そして日本でこれ以上金利が下がる可能性は低い。■市中の金利変動の影響を受ける
元金は物価に応じて変動しますが、利率は固定ですので、当然に市中の金利が上がれば債券価格は下がりますし、市中の金利が下がれば債券価格は上がります。
■「物価連動債=インフレに強い」は誤解を招きかねないかも
インフレ対策として物価連動債が取り上げられることがありますが、これは少し危ない表現だと思います。
上にも書いたように第19回物価連動国債の発行価格は大幅に額面額を上回りました。これは、「将来がある程度のインフレになる→だから物価連動国債の想定元金額も上がるだろう→少し高めに買っておいても儲かるだろう」というインフレ予想があるからです。
つまり、将来にインフレが予想されている場合には、それは債券価格に織り込み済みであり、予想通りのインフレになったとしても儲かるわけではないと言えます。
仮にインフレであっても予想を下回る程度の場合は、通常の債券に負けかねません。あくまで予想されていたインフレ率よりもインフレ率が高くなった時、通常の債券よりも儲かるのが物価連動債です。
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。