インフレ対応資産に適しているのは何か? そしてどの程度組み入れるべきなのか、調べてみた。


世界株に分散投資した信託をかなり売却した僕は、インフレリスクに対応する必要に迫られている。
昨日書いた通り、物価連動債は悪くないが、物価が上がれば評価額が上がるような単純なものではなさそうだ。
そこでコモディティ(商品)について勉強してみた。
まずはこちらの記事。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64380690Z20C20A9000000/

金や原油、農産物などの実物資産は「コモディティー(商品)」と呼ばれる。
Q. コモディティー投資のメリットは?
A. インフレに強く、資産分散の効果も
コモディティーに投資するメリットとして、まず、インフレに強い点が挙げられる。インフレになると貨幣の価値が下がる一方、モノの値段はインフレ率に連動して上がる。将来のインフレリスクに備えて、資産の一部をコモディティーに投資しておくと安心だ。
また、コモディティーは分散効果が高い点もメリットだ。「タマゴは1つのカゴに盛るな」という格言があるように、長期の資産運用では、値動きの異なる資産を組み合わせて持つのがセオリーになる。コモディティーは株式や債券といった伝統的な資産と異なる値動きをする傾向があるため、それらと合わせて保有することで全体のリスクを軽減できる。

ふむふむ、今の僕にぴったりではないか。
探してみつけたのは「三菱UFJ国際-eMAXISプラス コモディティインデックス」という商品。
eMAXISシリーズならコストも割安と考えていいはずだ。
https://emaxis.jp/smp/about/commodity.html
コモディティというとリスクが高いイメージがあるが、この商品はブルームバーグ商品指数トータルリターンに連動しており、分散されている分低リスク。
2015年に開始後じわじわと下落し、約50%にまで落ち込んだが、現在は80%まで戻しているし、株価と連動していないことがみてとれる。
それなら十分な分散効果が得られそう、と思ったが……。
こんな意見も。
https://www.wealthnavi.com/image/WealthNavi_WhitePaper.pdf

コモディティについては、コモディティ全体よりも金だけの方が株式との分散投資効果が高い(相関が低い)ことなどから、金を投資対象としています。

なるほど、株式を主とした投資の場合、分散効果だけを考えればコモディティ内で分散投資するより、金のみのほうがいいのね。
しかしそもそもの目的はインフレのリスクヘッジ。物価との連動性を考えれば金だけでは心とないし、第一、金は現在かなり上がっており、ここから参加するのはハイリスクに思える。
僕の主目的はインフレヘッジだし、現在のこのタイミングであることを考えれば、分散された商品指数連動型のほうが入りやすい。
というわけで、購入するのは物価連動債とコモディティインデックスに決定。
あとはこれらのインフレ対策を主眼とした商品をどのくらいもつか?

ウェルスナビによると、十分にリスクをとれる人の場合、分配は以下の通り。
https://invest.wealthnavi.com/simulation?wnid=gg-1461224047-58438734202-%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%8A%E3%83%93&gclid=Cj0KCQjwweyFBhDvARIsAA67M70mL6Zn1H1Q-kMpgw6O0mDzULGXCD1DEKb6avy6UsDHhu1bVoJLfOoaAsqsEALw_wcB

資産クラス  金額  割合
米国株(VTI) 350.0万円 35.0%
日欧株(VEA) 334.0万円 33.4%
新興国株(VWO) 161.0万円 16.1%
米国債券(AGG) 50.0万円 5.0%
金(GLD)   55.0万円 5.5%
不動産(IYR) 50.0万円 5.0%

インフレに対応した資産である金、不動産を併せて約10%となっている。
一方、こちらでは積極的な投資家なら高めでもいいとのこと。
https://jun-kin.info/180/

◆統計から計算した金の最適保有比率
伝統的な資産中心の投資家:2.9~9.4%
新興国株式やヘッジファンドも選択肢の投資家:2.1~6.8%
5%のボラティリティを許容する保守的な投資家:3.3~4.9%
10%のボラティリティを許容する積極的な投資家:6.2~8.7%

僕の場合は昨日書いた通り、金融資産内の現金(生命保険)比率が高いため、強いインフレリスクにさらされている。コモディティは上限の10%程度あってもいいような気がする。

こちらのサイトからは海外の機関投資家がインフレにどう対応した運用戦略を採用しているかを参考にする。
https://www.tr.mufg.jp/houjin/jutaku/pdf/u201409_1.pdf

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スクリーンショット 2021-06-05 184423

海外機関投資家の資産構成資産を3種類に分けて記載している。1つ目が株式、2つ目が不動産や物価連動国債などのインフレ対応資産、そして3つ目が債券である。
インフレ対応資産の組入れ比率は、15%から 28%となっており、リスク資産である株式の組入比率と比較すると 1/4 から 1/2 程度組み入れる傾向がある。

15-28%! とさらに高めのアドバイス。混乱するなあ。
日本は欧米より想定される物価上昇率が低いので、ここまではしないでいい気がする。第一、内容をみると不動産や物価連動債が主体なので、コモディティよりリスクは低そうだ。
ちなみに不動産(REIT)も金同様にかなり高値になっており、これから参入はしにくい。

というわけで結論。
とりあえず所有する金融資産の5%を物価連動債、5%をコモディティに振り分けてみる。
様子をみながら物価連動債のほうは10%くらいに上げてみてもいいかもしれない。
これでインフレリスクが完全にヘッジされたとは思えないが、策を講じず多くのキャッシュポジションを抱えるよりは精神衛生上よさそうだ。

運用って難しいなあ。株さえもっていればよかったこの10年は今考えれば楽だったかも。
インフレに対するリスクヘッジ、詳しい人がいたら、ぜひアドバイスくださいな




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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