医師の端くれとして、新型コロナウイルスについて思うこと

今まで新型コロナウイルスについては発信を控えていた。
世の中に過剰といえるほど情報が出回っている今、僕なんぞが意見を書いてもしかたがないと考えたからだ。
しかし感染症が専門ではないといえ、僕だって医師の端くれ。
現時点で感じていることを書き留めておこうと考えた。
あまり信頼はしないでほしい。素人の考えに限りなく近い。

なぜ日本では感染が今のところ、欧米と比し拡大が抑えられているのか?
まず、単純に人種差である可能性もあると思う。
中国との往来が多いので、一定数が類似ウイルスに対する抗体をもっていた可能性も否定はできない。
ウイルスの型が違うことも指摘されている。
また、BCG接種が有効だという意見もある。BCGが行われていない欧米諸国では重症化しやすいというのだ。これも可能性はあるし説としてはおもしろいが、ちょっと信じがたい気もする。
しかし日本での拡散スピードが少ない一番の理由は、やはり生活スタイルだろう。平時でも手洗いをするし、レストランではおしぼりが出てくる。屋内では靴を脱ぐなど、清潔な環境で生活している。
無症状であっても感冒流行期には予防的にマスクをする習慣がある。握手、ハグなどといった身体的接触は少ない。
そして世代間交流に乏しい。
僕は日本でも若い世代ではかなり蔓延していると考えている。でなければ有名人の感染がこれだけ相次ぐわけがない。
PCR検査をしないから実態がわかっていないだけだ。
しかし日本では欧米と比べ、異なる世代間での接点が少ないから、これが幸いして老人の罹患率が低く、重症者が出にくいのではないか?

今回の非常事態宣言で国内での感染者増大はひとまず抑え込める可能性が高い、とこれについては楽観的に考えている。
しかしたとえ感染を国内で止めても、どうせまた国外から持ち込まれてしまう。それを止めるには世界中で当分の間、人の往来を止めつづけなければならない。
となれば経済へのダメージは計り知れない。
また、一度感染して免疫を獲得しても、それがどの程度持続するのかわかっていない。たとえば麻疹や水疱瘡は終生免疫がつくが、すぐに免疫が消え、結果として何度も感染しうるウイルスも多い。
ワクチン開発にはあまり期待していない。比較的うまくいっているとされるインフルエンザ・ワクチンだって、インフルエンザにかからなくなるわけではないのは、皆さんもご承知の通りだ。
さらに新型コロナウイルスでは、免疫機能が暴走して肺炎が重症化することも報告されている。ワクチン接種によってこれがどうなるのかがわからない。
であれば治療薬に期待したいところだが、ここまでの流れをみると、今ある薬の中で劇的に効くものはなさそうだ。そして新薬には相当時間がかかる。

ウイルスは通常、高温多湿の夏季には活動を弱めるが、新型コロナウイルスはそうでもなさそうだ。
蒸し暑い東南アジアでも流行している。
さすがに日本の梅雨時から真夏にかけては勢いが弱まるかもしれないが、その後、再び勢いを取り戻すのではないか?
今ではなく、次の冬が本当のピークになる可能性は大いにある。

そう考えると、人々が世界中を自由に往来し、平和やテクノロジーの進化を謳歌した時代へは、当分は戻れないのかもしれない。

正直なところ、僕自身にはたいした実害はない。
親しい友人とは電話やメールで連絡を取り続けている。
旅は若い頃散々しているから、もう一生海外に行けないと言われても困らない。
セミリタイアしているから経済の停滞も苦にならない。
(保有株の評価額はもちろん下がっているが、ここ数年はキャッシュポジションを増やしてきたので、少しずつ買い戻している。これについては近いうちに書きたい)。
困るのは飲みに行けないことくらいだが、それだって死ぬほど辛いわけではない。

でも、亡くなった人々やその遺族はもちろん、今後、様々なチャンスを奪われるであろう若者や、大きな被害をうけるであろう社会的弱者のことを考えれば、もちろん心が痛む。
こんなふうに悲観的に考えながら、鬱々と日々を過ごしているところだ。

いやはや、まいったねえ。

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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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