ところで今でもゼロコロナ政策を主張する政党はあるのだろうか?


久々に新型コロナについて。
見事にウイルスを封じ込めた国々、いわゆるゼロコロナ国のその後を追ってみたい。

スクリーンショット 2021-09-02 082112
グラフは人口当たりの新規感染者数。対数グラフ。

まずはベトナム。
すぐれた接触追跡能力と大量隔離により成功していたベトナムだが、デルタ株への対処は難しかったようで、現在の新規感染者数は日本と変わらない状況になっている。
過酷なロックダウンによって成功したオーストラリアは、いまや韓国以上の感染者数だ。
今でもロックダウンを継続してこれなのだから、国民はたまったものではないだろう。各地で反ロックダウンのデモも行われているようだ。
先日、シドニーのロックダウンは9月末までの延長が発表された。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/08/319974355250858b.html
日本の緊急事態宣言のようなもの、と勘違いしないでほしい。
対象地域の住民は不要不急の外出が認められず、屋外での運動も1日1時間まで。午後9時から翌日午前5時までは外出禁止で、徹底のため軍も配備されている。
それでも感染拡大が止まらないのが現状だ。
これはむしろ、ロックダウンなしでここまで押さえ込めている韓国を高く評価するべきなのかもしれない。
K防疫については過去のブログ記事から引用する。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-368.html

韓国の接触追跡はすさまじい。というのも、クレジットカードの利用履歴や防犯カメラ映像を駆使して感染者の動きを徹底追跡するのだ。日本では絶対に真似できない(人権上の理由もあるが、そもそも日本ではカードの利用率が低い)。
マスクをしていれば濃厚接触者にならないのは日本と同じだが、防犯カメラの映像から、鼻がマスクで覆われていないのを確認すればアウト。そして陽性者や濃厚接触者が隔離に従わなければ実刑判決。
検査に関しては昨年12月にそれまでとっていたクラスター追跡方式を一部撤回し、「いつでも誰でも匿名PCR」や「各世帯から1名検査し、陽性者が出れば世帯ごと隔離」といった政策を打ち出し、日本よりもうまく感染を抑制している。「大量隔離」も「ロックダウン」もなしでやっている国の中では、もっとも優秀と考えていいだろう。

オーストラリアに続き、ニュージーランドも今が正念場のようだ。ロックダウンでの封じ込めに再挑戦している。
そして台湾については、あっぱれというしかない。
以前からの大量隔離に加え、この夏からは抗原検査キットをコンビニでも購入できるようにした。
未だに認可抗原検査キットが薬局でも買えない日本とは雲泥の差と言わざるをえない。
新型コロナウイルスの拡大防止には抗原検査キットの活用が有用だ、と僕は昨夏から主張してきたが、いまや先進国で導入していないのは日本くらいではないか。
余った1000万個の抗原検査キットを投入して無症状~軽症者のスクリーニングを!
日本は台湾こそ見習うべき、とでも続きそうだが、実はそうでもない。
昨年11月のブログ記事から引用する。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-270.html

台湾は2020年4月1日時点で検査陽性者約300・検査数延べ33000・隔離者は10万以上、言い換えれば、陽性者の300倍・検査数の3倍もの隔離をしている、その隔離ポリシーにある。「日本は台湾に学べ」というなら、台湾CDC自ら「自己隔離すれば検査は必ずしも必要ない」と広報し、実際に検査数の倍の人数を検査一切なしで隔離した、その隔離ポリシーをこそ学ばなければならない。

つまり1人陽性者が出たらその周りを300人以上隔離するということ。これが日本でできるだろうか?
できるはずがない。
僕は以前から日本でゼロコロナ達成は難しいと主張してきた。ゼロコロナはそんなに生易しいものではないのだ。
僕が「日本でゼロコロナは難しい」と考える理由とは。

立憲民主党は来る衆院選でも「ゼロコロナ」を掲げて戦うつもりだろうか?
政権もひどいが野党もひどい。
感染症専門家も滅茶苦茶だ。
いまだに空気感染と換気が軽視され続けている日本。専門家たちよ、本当にいい加減にしなさいよ。
世界は完全に空気感染が主との流れなのだが。
https://www.science.org/doi/10.1126/science.abd9149

実に困った。
そして僕ら国民にできることは「困る」ことくらいしかないようにみえる。とほほ。




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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