「本は買ってないけど、ブログは読んでるよ」
たまに知人に、そう声をかけられる。
ブログを読んでくれているのはもちろんうれしいのだが、同時にちょっと残念な気持ちにもなる。
なんで本のほうを読んでくれない?
というのも本とブログとでは、まったくレベルが違うからだ。
まず書くにあたっての意気込みが違う。毎日更新するこのブログと、1冊の本としてまとめるための原稿を書くのとでは、違って当たり前だ。
準備のための資料集めから推敲の回数に至るまで、まったく別次元の作業になる。
ブログは書き上げたらすぐに投稿するが、本の場合は、そこから出版社探しが始まる。
僕のような無名の物書きにとって、出版のハードルはかなり高い。練りに練った企画書を出版社に送り、採用してくれるところを探すことになる。
先方もなかなか首を縦に振らない。本が売れなければ損をするのは出版社なのだから、当然慎重になる。
なんとか採用に漕ぎつけた後も、内容にチェックが入る。
過去に出した本はいずれも、出版社から構成を変えるようにとの指示があり、それに沿った形で書き直した。その甲斐あって、元原稿よりずいぶんと良くなっていると個人的には思っている。
そして、そこから数回にわたって著者校正。
たとえば、「考えすぎ」なのか、「考え過ぎ」と感じにするのか? もちろん好みの問題だが、表現者の端くれとしては重要だ。そして基本的には全編を通してどちらかに統一する必要がある。
その結果生まれるのが1冊の本だ。
書いたのはブログと同一人物であっても、出来栄えには雲泥の差があって当然ということになる。
ブログのほうは、できるだけ気軽に読んでもらいたいと思って書いている。娯楽としては、悪くないと思ってくれる人も多いかもしれない。
でも内容のほうはスカスカだ。自分で言うのもなんだが、本当の意味でためになる情報などほとんどないと思う。
一方で本のほうは「役立つもの」を目指して書いているから、相当密度が高いと自負している。
2冊目に当たる「4週間で幸せになる方法」だって、幸福学、ポジティブ心理学、医学、哲学、伝統仏教といった幅広い分野から、幸福に役立つ知見を総動員している。
巻末の参考文献をみて、「本のためにこんなに読んだんですか?」と驚かれたことがあるが、これは読んだ本のほんの一部、ダイレクトに引用した文献だけだ。紹介したものの数倍、ひょっとしたら10倍くらいは読んでいるかもしれない。
参考文献が多いほど良書であるとはもちろん言えないが、単純に「密度」だけで比べたら、これを上回る本はそうはないはずだと自負している。
本を勧めるのは印税が目当てでは? と勘繰る人もいるかもしれない。
もちろん、執筆で収入を得られるのはうれしい。でも、1冊1500円の本で、僕が受け取る印税は5%、75円に過ぎない。1000冊売れても7万5千円。
本当にお金が欲しいと思ったら、医師としてもうちょっと働くことを選ぶだろう。
時給換算で言えば、本を書く1000倍は稼げるはずだ(もっとかもしれない)。
そんなわけで、ブログだけの読者というのは、僕にとっては少し残念だ。僕のブログが好きな人なら、本のほうはとても楽しんでもらえるはずだと確信している。
お金が惜しければ、図書館で借りてもらったって全然かまわないから、ぜひ一度手に取ってもらいたい。
著者としてそう切に願っている。
という感じで、久々の販促記事でした。失敬!
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