新型コロナウイルスは「夏」と「冬」。すなわち換気が難しい季節に拡大しやすいと考えればわかりやすい。


新型コロナウイルスの季節性については、1年近く前から何度も指摘してきた。
しかし多くの専門家が唱える
温度・湿度が高い地域では、低い地域よりも新型コロナは伝播しにくい
という説と僕の考えは、同じ「季節性」であってもまったく違う。
それなら温度、湿度ともに高い日本の夏で、あれだけの第5波が起きたことの説明がつかない。
僕が考える「季節性による変動」は「換気がしにくい、あるいは屋内に人が集まりやすい季節は感染が拡大しやすい」というもの。
換気? 頻回検査? 日本がこの冬を乗り切る策はあるのか?
考えてほしい。ほとんどの感染が屋内で生じているこのウイルスにとって、屋外の温度や湿度が重要である可能性があるだろうか?
換気しやすい温度・湿度であるか否かのほうが、はるかに大きな影響を及ぼすように思える。

ここで新規感染者数の推移を北半球の主要な国で比べてみる(人口当たり)。

スクリーンショット 2021-09-11 202259

各国ごとに気候は同じではないし、ロックダウンなどの政策やワクチンが広まった時期も違うから、もちろん完全に一致はしないが、それなりに相似していることがおわかりいただけると思う。
(東南アジアや南米の国々を入力すると、グラフの流れがまったく異なるので、興味があればお試しあれ)
https://ig.ft.com/coronavirus-chart/?areasRegional=usny&areasRegional=usnj&cumulative=0&logScale=1&per100K=1&startDate=2020-04-01&values=cases
このウイルスは夏と冬に大きな波を形成しやすい。温度や湿度の条件で考えれば「真反対」な季節であり、まったく辻褄が合わない。
逆に換気の有無が大きく影響していると考えれば、想定された通りということになる。

国内で北海道と沖縄を比べるとどうだろう。
https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/japan.html?rg=%E6%9D%B1%E5%8C%97&y=0&lbd=:2020-10-20&dmin=2020-10-20

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まずは去年年末からの第3波。北海道(青線)の感染者は少ないが、9月下旬~11月の立ち上がりに注目してほしい。全国(薄青線)に先駆けて感染者が急増し、僕はこのときにやはり換気の影響が大きいと半ば確信した。
この後、北海道は独自に外出自粛要請を発出し、かなり長期間継続したため、結果として感染流行を他の都府県より少ないレベルで押しとどめることができた。波が小さく済んだのは、適切な時期に人流抑制策が行われたからにすぎない。
逆に沖縄(緑線)は、昨年夏の第2波と同程度の感染者数ですんでいる。
一方で今年の夏。
沖縄では東京以上の感染爆発が起きたのに対し、比較的涼しい北海道では一部のオリンピック競技が開催され、沿道に多くの人が集まったにも関わらず、大きな感染の波はこなかった。
北海道では冬に多く、沖縄では夏に多い。つまり温度や湿度ではなく、気候条件が過酷で換気が難しい季節に新型コロナは流行しているといえよう(沖縄の夏に関しては過酷というより、長いと表現したほうが適切かもしれない)。

なんでこんな当たり前のことがなぜ中々理解されないのだろうと思っていたが、最近、勝田吉彰教授が第5波収束に対し下記見解を示している記事をみつけた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e25b86b224ca93f358ac0a81b61c39149057e07

「気候が生活環境に影響を与えたとみる。大阪市の最高気温は8月中旬以降、平年を下回ることが多かった。冷房中は周囲への気兼ねもあり部屋の窓を開けにくいが、涼しくなれば抵抗感も薄れる。換気の効果があるのでは」

僕ももちろん同意だ。
新型コロナウイルスは主に換気の悪い屋内で感染する。逆に屋外や、通気されているところではよほど密集するなどしないと、まず感染は生じない。
その事実だけで、感染の主経路は空気感染だろうとほぼ見当がつくし、換気がしづらい季節には流行しやすいことも自明だと思うのだが。
ちなみにインフルエンザは冬に流行し、日本では温度、湿度で説明されているが、東南アジアの国々では乾季より、人が屋内で集いやすい雨季に流行しやすい。
温度、湿度より、換気を含めた人の行動のほうが与える影響は大きいようだ。

というわけで、僕はこの秋に新型ウイルスは流行しにくいと考えている。次の大きな波はおそらく冬だろう。換気がしにくく、ワクチン接種の効果が薄れ、しかも忘年会やクリスマスで人流が増える。
予想ができたからといって、それが何かに役立つとも思えないが、個人的には、(冬はまた家に籠る生活になるだろうから、今のうちに仲のいい友人とは会っておきたいな)などと考えている。
息抜きは大切!




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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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