新型コロナの感染拡大をもたらすのは「会食」と「換気不足」。それを踏まえ新しい拡大防止策を提言します。


新型コロナに関しては、当たり前の意見が受け入れられず、奇をてらった風説ばかりが好まれる気がする。
僕自身はこれまで、当たり前のことしか書いていないつもりだし、現に世の中の流れは大体僕が予見したとおりになっている。
僕が日本こそ抗原検査キットの大胆な活用を、と提言したのが去年の8月。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-419.html
その後、今年のはじめ頃から欧州は完全にこの動きになったし、日本でも最近、河野太郎氏が総裁選で、僕が言ってきたことと同じ内容を政策として掲げている。
新型コロナの主たる感染経路は空気感染だから、徹底的に換気の啓蒙をすべきだと訴えたのが、去年の秋。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-420.html
空気感染に関してもここ数カ月でようやく理解が広まったように思える(逆に、いまだに日本の専門家や医師の多くが空気感染に否定的なことには驚きしかない)。
マスクに関しては、「日本ではなぜか欧米ほどの感染爆発が起きない、いわゆるファクターX」の主たるものであると、これは去年の春、感染拡大初期から主張している。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-293.html
去年の初秋には、マスクには「周囲にうつさない効果」だけでなく、「自分がうつらない効果」も大きいことが明らかになり、僕の主張が裏付けられることとなった。
各国の新規感染者数の推移をみてほしい。

スクリーンショット 2021-09-25 092640
(濃い青線が日本で、他が主たる欧米諸国)

これは対数グラフなので、線の「傾きの角度」が実効再生産数に値する。各国で感染者数が増加するときの「傾きの角度」に注目してみてほしい。
欧米諸国の実効再生産数が際立って高かったのは、実は昨年3月の第一波だけなのだ。
欧米では、第一波が終わった後の基準値が高くなってしまったため、第二波以降も大きな波になっているが、実行再生産数は日本と同じレベルにまで落ち着いている。つまり「第二波以降は、西欧諸国もファクターXを手に入れた」ことになる。
第一波の後、西欧で急速にBCG接種が進んだのだろうか? まさか、違う。その条件に該当するのは「マスク」しかないのだ。
僕には当たり前の話にしか思えないのだが、「ファクターXはマスク」という持説も、まだまだコンセンサスを得られた状況とはいえない。「交差感作説」「BCG接種説」といった、普通に考えたら「無理筋」と思える主張が、「自粛なんかしたくない」と強く願っている素人から人気を得るのはわからないでもないが、一部医師までも賛同しているのをみると頭が痛くなる。

さて、僕は今日も当たり前のことしか書かない。だが今日訴える政策は、皆さんが聞いたこともない大胆なものになるだろうと自負している。できるだけ簡略に書くので、頭ごなしに否定しようとせず、脳を柔軟に保ちながら読んでみてほしい。
新型コロナ感染の波を引き起こす主たる要素はふたつだ。
ひとつは「家族以外とのマスクを外した会合」。
たまに「家庭内感染のほうが飲食店での感染より多い。こちらの方が問題」と主張する人がいるか、家庭内感染は基本的には「防げない」と考えたほうがいい。だから「家庭内に持ち込まない」ことが重要なのだ。
マスクを外す会合といえば、ほとんどの場合飲食、宴会だろう。つまり政権がとった、まるで「飲食店イジメ」のような政策は、費用対効果をドライに考えれば正しいことになる。
多くの専門家が「飲食店への規制だけでは流行は抑制できない」と主張したが、結局、第3、4、5波はそれで収束してしまったのは皆さんの記憶にも新しいところだろう(もちろん僕はうまくいくと予想していた。日本の専門家って何なんだろうね)。
本稿では会食を始めとしたマスクを外した集まりを「高リスク行動」と呼ぶことにする。
これを「人流」と置き換えてはいけない。同じ人流でも「散歩をしているだけ」あるいは「家族での外食先に向かっている」のと、「知人たちとの宴会会場に向かっている」のとではリスクがまったく異なるため、グーグルなどが提供している人流データからのみ人々の高リスク行動を読み取ろうとすると、大きく間違ってしまう可能性が高いのだ。
というわけで、以上が波を引き起こす主要素のひとつめ。会食などの高リスク行動が増えれば感染は拡大しやすく、とくに「普段会わない人々」と「大人数」である場合リスクは高まる。
日本では3、4月の歓送迎会や卒業旅行、12月、1月の忘新年会でこの動きが顕著となる。
これをデータで出すとなると難しいが、「当たり前の話」として理解してほしい。
僕のまわりでも
「普段は自粛しているんだけど、お世話になった方の送別会にはさすがにでないわけにはいかない」
「ずっと我慢していたから、忘年会くらいはしたい」
という人は実に多い。

もうひとつの拡大因子は「換気ができない屋内で人が集うこと」だ。新型コロナ感染はほとんどが屋内で生じていることがわかっているし、3密のひとつ、「密閉空間」が大きなリスクファクターであることは感染拡大初期から言われ続けている。
では屋外で活動しづらく、つい屋内に集まってしまい、かつ換気がしにくい季節はいつか。言うまでもない。日本の場合は冬と夏(特に梅雨どき)だ。
これが主要素のふたつめ。これまた当たり前すぎて、異論が生じる余地はないだろう(と信じたい)。

以上のふたつのポイントをまとめると、日本で感染の波が生じやすいのは、
「会合が多い春」、
「換気がしづらい梅雨~夏」、であり、
最悪なのが、「会合が多く、さらに換気がしづらい年末年始~冬」
ということになる。

実際に日本での感染動向をみると、それぞれの波で急速な感染拡大が始まったのは、第2波で6月下旬、第3波で11月上旬、第4波で3月下旬、第5波で7月上旬となっている。

スクリーンショット 2021-09-24 155502

上述した理屈が現状と完全に一致していることがわかる。
次にアメリカ、イギリスでの推移をみてみると、やはり換気しづらい夏と冬に波が来ているようだ。

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日本と違うのは「春の波」がないこと。理由は言うまでもないだろう。
また、ロックダウンなどの強い抑制策をとらないため、季節性が読み取りやすいのが北欧のスウェーデン。

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長く厳しい冬に感染者が多いが、エアコンなしでも過ごしやすい夏には日、米、英のような感染拡大がみられないことがわかる。
新型コロナは、「換気をしていない場所で(=換気がしにくい季節に)」、「家族以外の人と会食といった高リスク行動をとると(=そのような行動が増えやすい季節になると)」、セオリー通りに感染が増えると考えてよさそうだ。

感染の波の生じるタイミングがそこまで単純なら、対策もまた単純でいいはずだ。7月、11月、3月、(加えて、もしかしたら1~2月)に感染拡大の兆候があったらすぐに飲食店への規制をかければいい。
今までのようにある程度病床が埋まってしまってからではなく、波の初期で抑えることができれば医療体制はひっ迫しにくいし、かつ季節性の法則から感染収束時期の見当もつきやすいから、今までよりはるかに早い時期での宣言解除が可能だ。
飲食店もあらかじめスケジュールがわかっていれば、仕入れやシフトの調整もしやすいとのメリットが生じる。
7月、11、12月、3月の4か月間限定で要請をかければ、残りの8か月間はほとんど規制を設けずにすむかもしれない。
飲食店への規制の強さや具体的な期間は、ワクチンや治療薬が改善、洗練され、新型コロナの脅威が弱まるのに合わせて徐々に軽く、短くしていけばいい。
これでバラ色の未来が待っている! などと言う気はない。しかし今までの「いつ行動自粛要請が始まるのか、そしてそれがどのくらい続くのかわからない」やり方よりも、はるかに希望がもてるのではないだろうか?

当たり前の理屈にもとづく、当たり前の政策。
今までも当たり前のことばかり書いてきたが、それらが中々受け入れられなかったのと同様に、今日の提言も当分の間、受け入れられることはないだろう。
でももし賛同してくれる人がいるようなら、この記事の拡散に力を貸して頂ければありがたい。



追記。ちなみに換気と感染拡大との関係は1年前から指摘しています。ご興味ありましたら。
換気? 頻回検査? 日本がこの冬を乗り切る策はあるのか?

追記2。
「人流は減っていないのに第5波は収束した」との意見が一部にありますが、高リスク行動はやはり減っていたようです。
8月の外食売上高、前年比8・6%減…酒類の提供制限で「パブ・居酒屋」は68・8%減に



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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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