「手紙とは文字のならんだ紙でも、文章の羅列でもない。誰かのために発するこころの「声」だ」いしいしんじ氏は男前だなあ。


新聞などに掲載される人生相談。昨日はひどい例を紹介したが、すばらしい回答もたくさんある。
今日は最近読んだ中で、ピカイチのものを紹介する。
この回答には本当にシビレた。「人生相談」を読んでシビレルなど、なかなかできる体験ではないので、ぜひ皆さんと共有したい。

30代の女性会社員。実家の掃除をしていたら、1通の手紙を発見。10年以上前に他界した、当時84歳の祖父からの手紙でした。
小学校の頃に母親が死に、幼い弟妹がいてどうしたらいいか悩んだこと。中学の時に父親の居所がわからなくなり、やむなく退学したこと。大学の時、召集令状がきて満州(現中国東北部)へ行き、殺されるか自分がやるかと思ったこと。
そして、励ましと私の幸せを願う言葉で締めくくられていました。途中から字が崩れており、体調の悪い中で一生懸命書いてくれたと伝わってきました。
封が開いていたので読んだはずなのですが、全く覚えがなく、返事を書いた記憶もありません。私は上京後はろくに顔も見せませんでした。今、祖父の気持ちが痛いほどわかる気がします。なぜ返事を書かなかったのか。後悔で涙が止まりません。

回答者は作家のいしいしんじ氏。

大切な手紙を読ませていただいた。こころにほんとうの力をもったひとのことばは、たとえ又聞きでも胸に迫る。ましてや、愛する孫娘を通してなのだから、なおさらだ。
連絡をとらないこと。顔をみせないこと。祖父はまったく気にしていない。あなたを信じているからだ。その、信じるこころのままに、いつか届くはず、と文字どおり命がけで、あなたに手紙をしたためた。
手紙とは、文字のならんだ紙でも、文章の羅列でもない。誰かのために発する、こころの「声」だ。
便せんをひらいたとき、響かないかもしれない。そのことも、祖父は知っている。そして、やはり信じている。こころからの声は、届くべきときに、必ず、そのひとの耳に届くと。
十数年をかけ、祖父の声は、あなたのところへやってきた。祖父の信じたとおり、届くべきとき、きこえるべきときに。だからいまあなたの胸はふるえ、あなたの耳は、祖父が一生懸命書いたこと、こころをこめてつづったことまで、手紙のすべてを聞きとることができている。
右の相談文は、祖父への返信だ。あなたのこころの「声」なのだ。おう、届いたか、と祖父もいま、きっと笑顔でうなずいている。

言葉が実に重い。これぞ作家の文だと思う。
昨日紹介した珍回答も同じ作家なのだが……などと比較するのも品がないね。お終い。




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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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