“死は我々全員に、そう遠くない将来、必ず訪れます。そのことをしっかりと理解できている人、理解しようとしてはいるものの、現実問題として受け止めきれていない人、あるいは、理解することを拒み、無意識のうちに目をそらしている人と、向き合う姿勢は人によって大きく異なりますが、そこから逃れることは誰にもできません。
私があと二〇後年、六八歳まで生きる可能性は九〇パーセント近くありますが、三〇年後だと約七〇パーセント、四〇年後(八八歳!)だと三〇パーセント以下という具合に、どんどん可能性は低くなります。父が七八歳で亡くなったことを考えると、大体そのくらいで逝く可能性が一番高いのかもしれません。であれば、私の場合、あと三〇回正月を迎え、三〇回桜を愛で、三〇回夏の日差しや海遊びを楽しめば、そのあたりで人生は終焉の時を迎えることになります。サッカー・ワールドカップや野球のワールド・ベースボール・クラシックで考えれば、四年に一度しか開催されないわけですから、日本代表の雄姿を見られるのは、たったの七~八大会に過ぎません。しかも、予選で敗退してしまう大会だってあるかもしれないのです(考えたくもないけれど!)。“
素晴らしい試合の数々を見ながら、やっぱりそうだよな、と思った。“「時は金なり」という格言がありますが、時が金だなんて、「時」に対する評価があまりにも低すぎます。時は、命です。お金がなくなってもどうにでもなりますが、ひとりの人間がもつ時が尽きることは、すなわち、人生を終えるということに他ならないのですから。”
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。