6年前のお話し。
先日の夕食後、デザートに出されたバナナを食べながら、小学校5年生の長男が言いました。
「そうそう、バナナに塩をかけるとおいしくなるんでしょう?」
「バナナ? それを言うなら、スイカよ」
妻がそう答えると、最近なにかと反抗的な長男は挑みかかるような口調で言い返します。
「バナナだって! 友達の〇〇くんが言ってたもん!」
「まあまあ」
つまらぬことで口論になる前にと思い、私が間に入って止めました。「母さんの言うとおり確かにスイカが一般的だと思うけど、要はフルーツに塩をあえて足すことによって本来の甘みが引き立つということだから、バナナでもきっとおいしいと思うよ」
私の言葉に長男が感心したように言いました。
「へええ、塩をかけるとおいしくなるのって、そういう理由だったんだ。まるでブルドッグみたいだね」
ブルドッグ? そう聞いて私の頭に真っ先に浮かんだのはブルドッグという名前のカクテル。
ウォッカをグレープフルーツ果汁で割り、グラスの淵に塩を持って出すカクテルをソルティドッグというのは御存じの方も多いと思いますが、実は塩を盛らないで出すパターンもあって、ブルドッグと呼ばれています。学生時代にバーテンダーのアルバイトをしていた私としては、塩、そしてブルドッグと聞けばどうしてもそのカクテルを連想してしまうのです。
「確かにそういうカクテルはあるけど、塩はなしだよ。それに、なんでそんな名前を知ってるの?」
私が驚いて訊ねると、長男は怪訝そうに首を傾げて言いました。
「カクテルってなんのこと? 僕の言っているブルドッグは犬だよ、犬」
長男が言うにはブルドッグは当初、牛を攻撃するために飼われていたのですが、それが禁止された後は存在理由がなくなり人気が急落。
ところがブルドッグのユニークな外見は、自分の容貌の引き立て役にちょうどいいと考える人たちがでてきて、戦闘用でなくペットとして定着することになったのだそうです。へええ~。
「フルーツに塩を足して甘さを引き立てるいうのも、それと同じようなものだな、って思ってね」
なるほど、確かにいい例えになってる。逆に父さんの知識が足りなくて、というかアルコール方面に偏りすぎてて、話についていけずに、ごめん!
私と長男の会話をビールを飲みながら聞いていた妻が、横から口を挟んでいいました。
「なるほど、そういう情報元があっての例えだったのね。ちなみに情報元を英語でソースって言うのよ。ニュース・ソース、なんていうでしょ。そうすると今回のケースはまさにブルドック・ソース、なんてね」
う~ん、そのギャグはちょっと強引すぎるような。そもそも今の子供たちにブルドック・ソースなんて言っても、ピンとこないはず。
案の定、長男にはさっぱり意味がわからないようで、困惑した表情を浮かべています。
それが不満なのか、妻は身を乗り出して、こう続けました。
「えっ、ブルドック・ソースを知らないの? そんなことも知らないなら、もう母さんとしては、ニッチもサッチも ・・・ ブルドッグ!」
ブルドッグ・ソースを知らない世代なんだから、ましてやフォーリーブスなんてわかるわけないでしょうが! 母さん、飲みすぎ! 飛ばしすぎ! それに、言うことが一々古すぎ!!
うちの妻、本当に私より年下なんでしょうか? って、皆さんに聞くのもなんですが ・・・。
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