7年前のお話し。旧院長ブログより
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うちの子供は9歳、5歳、3歳の三兄弟。今日は真ん中に挟まれている次男の話です。
常日頃からこよなく長男を尊敬し (理由はまったくの謎)、長男の言うことならふたつ返事で聞く次男。先日私が帰ると、玄関まで飛んできて言いました。
「お兄ちゃん、すごいんだよ!」
どうした? と私が聞くより先に、次男は勢いよく話し始めました。
「お兄ちゃん、僕が生まれる時楽なようにって、自分の頭を傷つけてがんばってくれたんだって!」
その時はなんのことだかまったく意味が分からなかったのですが、後で長男から聞いたら、要は長男が生まれた時は妻が初産だったから産道がせまくて、生まれたばかりの時は頭が少し変形していたけれど (ありがちですよね)、次男のときは産道が広がっていた分楽に生まれてきた、ということを話したのだそうです。
長男が一番大変だったのは確かだけど、そんなことを自分の功績にして恩を売るなよな!
でもそんな話で長男を尊敬してしまうあたりが、5歳児ならではの可愛さですよね。
次男の目標は常に兄。勉強に関しても、兄がやっていることがうらやましいのか、
「幼稚園の勉強は嫌だ。お兄ちゃんみたいに小学生の勉強をやる!」
と言いだしました。
そんなことより、ひらがなをきちんと覚えてほしいんだけどなとは思いましたが、鉄は熱いうちに打てという言葉もあります。長男が小学校1年生の時に使った問題集の最初のページをやらせてみることにしました。
鉛筆が1本、こっちにもう1本、合わせて何本でしょう? といった基本的なもの。まあ、算数といえば算数ですが、指を折って数えれば答えは簡単に出てきます。ただ、そこはほめて伸ばしてやりたい親心。正解するたびに「すごいね~、もう小学生みたいだね~」 と持ち上げると、次男は得意げに鼻の穴を膨らませます。
「小学校の勉強は簡単だな~。よし、次のページもやるね」
あんまり図に乗せると際限がないかも、やりたい仕事があるんだけどな、とちょっと不安になりながら、とりあえず2枚目をやらせたところ、これも難なくクリア。すると次男は誇らしげに言いました。
「これで2年生まで終わった! お兄ちゃんは4年生だから、あと2枚で追いつくね」
う~ん、なんとも短絡的な勘違い。
「いやいや、1枚で1年分じゃないんだよ。これはまだまだ1年生の最初のところ」
そう告げると、次男は 「な~んだ」 とがっかりした様子。とたんに意欲も失ったようでした。私は仕事に戻れて、ほっと一安心。
三男に対しては基本的には面倒見がいいのですが、この三男がなかなかのやんちゃ坊主のため、おもちゃをとられたり、噛みつかれたりして泣かされてしまうこともしばしば。
先日も三男の次男に対する態度があまりに悪いので、私が怒って、
「鬼さんを呼んで、連れて行ってもらおうかな」
と脅かすと、三男はいつもの通り泣き出してしまいました (彼の唯一の弱点で、鬼がとても怖いようです)。そうなると、いつもなら一緒になって泣いたり、三男をかばったりもする次男ですが、この時は自分自身も三男の態度を腹に据えかねていたせいか、私に同調して言いました。
「そうそう! 鬼さんを呼ぼう! でも父さん、鬼さんにあげるんじゃなくて、売ったらどう? タダだともったいないから」
言うことがシビアだなあ、と内心では笑いながら、
「じゃあ、いくらで売る?」
と調子を合わせてたずねると、次男は考え込みながら言いました。
「う~ん、かなり高くしないとだよねえ。だって大事な弟だからねえ (じゃあ、売るなよ) ・・・ よし、決めた! 千円!」
安っ!
次男は綿あめが大好きなので、「千円あったら、祭りで綿あめがふたつ買えるね」 と私が何気なく言ったら、
「じゃあ、ふたりでひとつずつ買えるね!」
といつの間にか泣き止んだ三男とふたり、手を取り合って喜び合っていました。
それはそもそも三男を売った代金でしょ?
そう教えようかとも思いましたが、ふたりとも楽しそうだし、せっかく仲直りしたのだから、それでよしとしてほうっておくことにしました。
私自身も3人男兄弟なのですが、長男なので、上と下にはさまれる感じってよく分からないんですよね。
楽しそうであり、はたまた、大変そうでもあり ・・・。
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記事から早7年。写真は三男の誕生日パーティー。