才能は遺伝の影響が、学校の成績は遺伝、家庭環境の両方が影響するらしい ~ 親ガチャについて考える2


親ガチャについての続編。


まずは図をみてほしい。
下の段ではそれぞれの性質への寄与率について、上から非共有環境(緑)、共有環境(赤)、遺伝(青)の比率がまとめられている。

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以下は引用。

いくつかの例外はあるものの、ほぼすべての心理的・行動的特徴に遺伝の影響があり、その大きさは30~50%、ものによってはもっと大きいのもあります。とにかくほぼ普遍的にあるが、だからといって遺伝によってすべてが決まっているのではなく、同様に環境、とくに非共有環境の影響もまたあまねくあり、この寄与率も大きい。
一方、共有環境の影響は、ないものが少なくなく、あってもわずかであることが多い。

左下の学業成績でみると共有環境の影響がそれなりにあるのに対し、中央下の才能でみると外国語以外共有環境の影響はほとんどみられない。
右下のパーソナリティにおいても共有環境の影響はほとんどないので、学業成績は共有環境が大きく作用する稀有な分野といえる。
勉強ができるかどうか、いい大学に行けるかどうかは家庭環境の影響がそれなりに大きいもよう。まさに親ガチャだ。
しかし一方で才能に関しては遺伝子の影響はあるものの、共有環境の影響はほとんどない。
例外は外国語くらいで、言語というのは相当IQが低くてもちゃんと学べばそれなりにマスターできるものだから(日本で生まれたら誰でも日本語は話せるでしょ?)、親がその環境を与えるかどうかは大きいと容易に推察できる。
才能のうち遺伝がしめる割合が大きいのは音楽、執筆、数学、スポーツで比較的小さいのが美術、チェス、記憶、知識。
僕にとって意外だったのは、執筆の遺伝要素が大きいことと、美術、チェス、記憶の要素が小さめなこと。へえええ。
というわけで、ここまでのまとめ。

研究されてきた数多くの心理的・行動的形質の行動遺伝学的研究の成果を概観すると、おおむねこれと同じような結果が得られます。このことから「行動遺伝学の3原則」(Turkheimer, 2000)というのが言われるようになりました。それは
あらゆるこころの動きには遺伝子の影響がある(遺伝の普遍性)
家族が似ているのは環境を共有するからではない(共有環境の希少性)
環境の影響は家族でも一人ひとりみんなちがう(非共有環境の優位性)
とまとめられます。これが拙著のサブタイトル「すべての能力は遺伝である」の根拠なのです。

知能は70%以上、学力には50〜60%くらいの遺伝率があります。学力の場合、さらに20〜30%程度、共有環境の影響も見られます。

学力の70〜90%は、子ども自身にはどうしようもないところで決定されてしまっている。遺伝子と共有環境の両方を含めて考えるなら(広義の親ガチャ)、成績が悪かった人にとってはたしかにたまったものではない。
しかし同時に学力以外での能力や行動をみたとき、共有環境が占める割合は非常に低いことがわかっている。つまり遺伝の影響は大きくても生活環境が与える人格・能力形成への影響はさほど大きくないのだ。
主な要因は親から受け継いだ遺伝子であり、家庭環境はほぼ関係がないことになる。
おもしろくない?

では学力ではなく収入はどうだろう?
これがまた、むちゃくちゃおもしろい。明日の最終回に続く。
(おもしろがっているのが書き手だけでないことを祈る)




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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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