収入に関しては、家庭環境による差は若い時だけらしい ~ 親ガチャについて考える3


親ガチャについて最終回。
昨日予告したとおり、今日は収入に寄与する要素について。


まず前提として、遺伝の影響は子供の頃は大きく成長と共に小さくなりそうなものだが、実際は逆らしい。

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図は認知能力について、これまでに研究され発表された様々なふたごのデータをまとめたメタ分析の結果です(Haworth, et al., 2010)。児童期から成人期初期にかけて、遺伝の影響は40%から60%に上昇し、環境は共有環境も非共有環境もそれに反比例して減少する傾向のあることがわかります。この児童期から青年期、成人期に向かっての知能の遺伝率の上昇傾向は、かなり頑健な知見として行動遺伝学では前から知られていますが、発達心理学ではまだあまり着目されていないようです。 たしかに子ども期というのは、様々な環境にさらされて経験を積む重要な時期であり、その意味で環境の影響を強く受けることは間違いありません。しかし、行動遺伝学のデータからは、子ども期は経験を積むことによって、身体的にも認知的にも、だんだんと遺伝的な自分自身になろうとする時期のように見ることができます。

なんと、加齢とともに遺伝の影響が色濃くなるとは!
しかもこれは収入にも当てはまるらしい。

日本で行われた20歳から60歳までの1000組を超す大規模な双生児データからは、収入に及ぼす遺伝の影響が約30%という結果が出ています。面白いことに、就職し始める20歳くらいのときは遺伝(20%程度)よりも共有環境(70%程度)がはるかに大きく収入の個人差に影響していることが示されました。
ところが、です。
年齢が上がるにつれ共有環境の影響は小さくなり、かわりに遺伝の影響が大きくなって、働き盛りの45歳くらいが遺伝の影響はピーク(50%程度)を迎えます。この時点で共有環境の影響はほぼゼロ。つまり、親の七光りが通用するのは始めのころだけで、歳を取るに従ってその人自身の遺伝の影響が強くなるらしいのです。

若い頃は家庭環境であったり、場合によっては親のコネによって収入に差が出やすい。しかしどうも親の七光りは長くは続かないようだ。
年齢が上がるにつれ共有環境の影響は縮小し、遺伝の影響が大きくなっていく。
つまり確かに親ガチャではあるけれど、最終的に収入に強く影響するのは家庭環境ではなく遺伝ということになる。
自分の境遇を恨むにせよ感謝するにせよ、親が与えた環境へではなく遺伝に対して、というのが親ガチャの本質ということになりそうだ。
いずれにせよシビアな現実ではあるが、いまこの状況の自分でいるのは「家庭環境」ではなく「遺伝」と考えた方が、多くの人にとってはストレスが少ないのではないだろうか?
だって遺伝って要は「自分自身」だもの。自分自身の根底を責めたってしょうがない。
そして、もしあなたが与えられた家庭環境のせいで人生がうまくいっていないと感じているのなら、大丈夫、それは最終的には小さくなっていくからねと強調し、このシリーズを終えたい。




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内山 直

2016年、47歳でセミリタイア。地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で、遺伝が50%。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってきます!

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