馬刺しに囲まれて生活している


年末も近いし、何か晴れやかなことがしたいなあと考えていたところ、古い記憶と共に突然ひらめいた。
馬刺し!
僕がまだ研修医だったころの話。
全国規模の学会で初めて発表することになり、熊本に行った。とてつもなく緊張した発表を終え、その後の打ち上げで馬刺しを食べた。
脂がのっていて、実に濃厚。衝撃のうまさだった。
僕の住むエリア(東日本)でも、馬刺しは生産されている。しかし熊本で食べた馬刺しはまったく別物に思われた。
学会発表を終えた解放感もあるのかな、と首を傾げていたのだが、後で調べたら、馬の種類からして違うのだと知った。東日本では軽種馬であるサラブレッドがメインだが、熊本の馬刺しは重種馬で、脂分が多いとのこと。
なるほど、と合点がいった。
その後、熊本を訪れる機会はなく、馬刺しからも遠ざかっていたが、考えてみれば今の時代、ネットでいくらでも取り寄せができるのではないか?
案の定、簡単にみつかった。せっかくだからと、種類豊富で高級な奴を選び、クリック。
翌々日には到着した。唸り声ができるほどうまかった。
あの時の味だ。
というわけで、僕としてはかなり晴れやかな気分を味わったのだが、問題はその後起きた。
ネットを開くたびに、馬刺し広告のオンパレードになってしまったのだ。
僕は普段、買い物をほとんどしない。ネットではアマゾンで本を買うくらいだ。
そんな僕が珍しく違うものを買ったものだから、ネット広告の何らかの機能が、ここぞとばかりに反応したのだろう。
こいつの嗜好は馬刺しに向いている。
馬刺しなら買うぞ! と。
ヤフーニュースを見ても馬刺し。
コロナの情報を検索しても馬刺し。
お世話になっている「にほんブログ村」を開いても馬刺し。
馬刺しの写真はそれなりにインパクトがあるので、つい目が行ってしまう。馬刺しに囲まれて生活している気分だ。
お陰ですっかり食傷気味。
もう馬刺しの写真は飽きた。夢にまで出てきそうで、また取り寄せたいという気分にさっぱりならない。
申しわけないが、広告としては完全に逆効果だ。

僕はどうやったらこの馬刺し攻めから解放されるのだろう。
ネットを使うのを止めるしかないのか?
あるいは何か他の物を買えば、広告も中和されるのか?
いや、それこそが広告業者の狙いのような気もする。
アーリーリタイアした身では、そうそう晴れやかな買い物を繰り返すわけにもいかないのだが。
困ったなあ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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