今回で最終回、「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」(集英社インターナショナル)から。
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著者であるドイツ人女性、マイケが幸福度調査で上位に来る国々を訪れ、経済的には豊かであるにも関わらず幸福度が低いドイツ人が、なにを学ぶべきかを探っていくという内容なのだが、これに対するAmazonでのレビューが興味深かった。
9件のカスタマーレビューの中で星5つが4件ある一方、星1つも1件ある。この星1つをつけたレビューを読んで、思わず笑ってしまった。
“日本が1番幸福なはずです。日本人なら誰もが分かります。在日外国人だって日本が良いと言うはずですよ。”
確かに日本の条件は悪くない。平和だし、豊かだし、単一民族に近いから軋轢も少ない。
でも日本が1番に決まっている、という意見には驚いた。
そもそもこの人は、なぜこの本を手に取ったりしたのだろう?そして今まで何か国を訪れてみたのだろうか?
しかし調べてみると、この方のような考えは珍しいものではないようだ。
たとえば、「
世界幸福度ランキング発表、日本の順位は?」というネット記事がある。国連が発表した、世界の155カ国を対象にした幸福度ランキングだ。
これによると日本は155カ国中51位なのだが、納得できないという多くの声が寄せられていた。
“国連の統計とは何を見ているのだろうか”
“日本が51位というのは明らかに意図的なディスカウントが入っているように感じますね~。「国連」は必ずしも平等でニュートラルな組織ではないという認識持つことの必要性を感じさせる記事だと思いました。”
日本人の幸福度がそんなに低いわけがないから、むしろ国連のほうがおかしい、という意見だ。
“安倍政権の負の側面がモロに影響したと言って良いだろう”
日本の幸福度は以前から低いので、これは言いがかり。
“結局、上位は白人国家ですよね。白人ご都合主義的幸福度ランキングってうがった見方をしてしまいます。”
ギリシャは87位、ポルトガルは89位といずれも日本よりかなり下位だから、この意見も僕は買えない。
“幸福度の基準が人により 違う 測る事が、出来ない”
これは幸福学という学問の全否定。
幸福度調査の様式がどのようなものか、おそらくご存知ないのだと思う。
幸福度調査にはまだまだ問題もあり、だからその結果が確実だとは言わないが、「幸福度の基準が人によって違うから測定できない」というほどお粗末なものでは決してない。
ざっとこのような具合に多くの人から「日本人の幸福度が低いわけがない」という意見が寄せられていた。
でも僕は思う。
自殺率が常に世界でトップクラスである日本が、そう幸せな国であるわけがないじゃないか、と。
ちなみに、日本で自殺の引き金となるのは、学生だと、
1位 いじめ
2位 ネットいじめ
3位 ヒキコモリ(他者からの孤立)
4位 経済的な問題
5位 受験での失敗
6位 就活の失敗という結果。
大人の自殺の引き金になるのは、
1位 病気などの健康問題(精神疾患が最多)
2位 貧困や事業不振、倒産、リストラなどによる経済状況の悪化
3位 家庭問題
4位 職場の人間関係
だそうだ。並べてみると日本社会のもつ負の側面が浮き彫りになってくる。これでもまだ「日本人は他のほとんどの国より幸せに決まっている」と思えるだろうか?
といったところで「世界幸福度ランキング上位13カ国を旅してわかったこと」の感想を終える。
いろいろな刺激を与えてくれる、良書であった。
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