池谷裕二著、「単純な脳、複雑な私」(朝日出版社)の紹介。
脳研究者である著者が母校で行った脳についての講義を書籍したもので、少し古い本なのだがこれが実におもしろい。
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たとえば仕事の報酬と仕事のおもしろさとの関係について。
ふたつのグループに単純作業を与えグループAには高めの報酬を、グループBには低めの報酬を与えると、どちらが仕事をおもしろく感じるのか?
ぱっと考えるとAのような気がするが、実は低報酬のグループBのほうが仕事がおもしろかったと答える人が多いのだとのこと。
Aの場合「自分たちが働いているのはカネのため。いいカネをもらえるから、おもしろくもない作業でもやっているんだよ」と自分を納得させることができる。一方Bでは賃金が安いから自分を納得させるために「仕事がおもしろいからやっている」と考えざるをえなくなるのだそうだ。
そういえば子どもへの教育方法でも、勉強をしたことに対して報酬を与えると学ぶ喜びを得にくくなると聞いたことがある。それも同じ理屈なのだろう。
僕らは経験から感情が変化し、感情を元に行動を決めていると信じ込んでいるが、実は無意識のうちに感情のほうを行動に合わせているということになる。
「無理にでも笑うと気分が楽しくなる」のと同様の原理と考えていい。
見返りがあると行為に喜びを見出すことが難しくなるのであれば、幸せに生きるには見返りを求めないことが重要なのかな、という気がしてくる。
アーリー/セミリタイア後、バイトなど、ちょっとした仕事をする人は多いと思う。
そんな時はより興味のあるものを、時給にとらわれず選択するのが幸福度の高いリタイアライフには適しているということになりそうだ。
となると……。
楽しんで原稿を書き、しかしせっかく出した本がなかなか売れずさっぱり印税が入ってこない僕など、アーリーリタイアの理想形かもしれない。
……なんて、コジツケだよねぇ。 |;-_-|=3
明日はこの本からもうひとエピソードを紹介したい。
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ラザニア。この中にどれだけのほうれん草が入っているかというと・・・。

ラザニアやカレーなど、子供の好物には大量の野菜を仕込む。我が家の鉄則。