今日は自著 ”幸せの確率” について解説する。
一言でいえば、「アーリーリタイアについて」の本であり、僕の知る限りでは、日本で最初に出版されたアーリーリタイア本だ。
「アーリーリタイアなんて、一部の金持ちか成功者に限った話だろう?」
と思う人もいるかもしれないが、断じて違う。
「あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ」というサブタイトルを入れたのは、その点を強調するため。
この本ではアーリーリタイアするための蓄財法を、経済学、経済行動学、心理学、幸福学の知見をもとにまとめている。
日本という豊かな国に生まれて来た僕らにとって、アーリーリタイアという人生の選択肢は実はそう難しいものではないのだ。
「仕事が生きがいで、楽しんでいる。アーリーリタイアなんてごめんこうむりたいね」
と考える人もいるかもしれない。
仕事が本当に生きがいならば、そんな幸せなことはないだろう。
しかしそこに罠が潜んでいることもある。
「多くの人が死ぬ間際になって、働きすぎたことを後悔している」
という事実を、皆さんはご存じだろうか?
あなたがとても仕事が好きだとして、死ぬ間際に働き過ぎたことを後悔するかどうかは、あなたが今余命6か月と宣告されたら仕事をそのまま続けるだろうかと想像すれば、大きなヒントを得ることができる。
例えばもしあなたが営業職についていて「この素晴らしい商品を、ぜひ世界に広めたい」ということが生きがいなのだとしたら、あなたは生ある限り仕事を続け、それを悔やむことはないかもしれない。
しかしあなたにとって仕事が収入や社会的地位を得るためのツールに過ぎず、昇給を得ることや、同期を出し抜いて先に営業部長になることが主たるモチベーションなのだとしたら、残された半年の命を仕事に捧げるようなことは絶対にないはずだ。
自分はひょっとしたら後者かもと感じるのであれば「仕事が幸せ」という思いは、死の淵に立たされた時には脆くも崩れる幻想に過ぎないのかもしれない。

この本の中で僕は4つの「パーセンテージ」から、アーリーリタイアについて考察している。
プロローグ 生存率
生存率、つまり僕らが何歳まで、どのくらいの可能性で生きられるのかを示している。
第1章 貯蓄率(総論)
それぞれの貯蓄率でどのように人生が拓けていくかを、簡略に、わかりやすく述べている。
第2章 満足率
日常における満足率を上げるにはどうしたらいいか。そしてそれは蓄財とどうリンクするのかを、幸福学、心理学、伝統仏教などの知見を元にまとめている。
第3章 リスク・リターン率
株式での資産運用をどうやったら「手堅く」できるか、現代ポートフォリオ理論を軸に述べている。
株の入門編として使いやすいと思うし、中級者くらいまでなら参考にしてもらえると思う。
ただし上級者向けではない。詳しい人は僕ではなく、経済学者の本を読んでいただきたい。
第4章 貯蓄率(各論)
具体的な貯蓄率の上げ方を経済行動学などを元に挙げている。
話が堅くなりすぎないようサザエさんや美味しんぼを例にしながら、読み物として楽しんでもらえるように工夫したつもりだ。
第5章 幸せの確率
前章までで提示した「4つのパーセンテージ」を踏まえた上で、どうやったら幸せな生涯を送ることができるのかについて、持論を展開している。
労働観の歴史的変遷、労働慣習の諸外国との比較、アーリーリタイア後の人生の楽しみ方などを雑記した上で、僕自身の「幸せの確率」を上げる方法はアーリーリタイアにあるようだと結論づけた。

読んでもらえればわかると思うが、この本はアーリーリタイアこそ幸せというものではない。
僕自身がアーリーリタイアという極端な選択をとり、それを提示することによって、人生には多様な選択肢があるのだということに気づいてもらいたいというのが趣旨だ。
自分では「停滞する資本主義社会における新しい幸福論」のつもりでいる。
今の社会を、主に金銭的な理由から生きづらいと考えている人に向けて書いた。
今までアーリーリタイアなんて考えたこともないという人にも、いや、むしろそういう人にこそ読んでほしい。
心理学、文学、経済学に広くわたる様々な知見を凝縮させた、密度の高い内容になっていると自負している。
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