今日はパラドックス大図鑑の紹介を続ける予定だったのだが、どうしても書きたいことができたのでこちらを優先する。
新型コロナウイルス、オミクロン株についてだ。
オミクロン株はデルタ株と比べ重症化率が低く、入院が必要になる確率は30-50%程度。一方で感染力は強く、デルタ株の3-4倍とされている。
よって重症化率の低さと感染率の高さが相殺され、脅威はデルタ株とあまり変わらないと主張する専門家が多い。
1月10日のNHKニュース9でも感染防御を専門とする(!)順天堂大学の堀賢教授がそう語っていたし、ワイドショー、それにSNSで発信している医師も異口同音に主張する。
皆、本当に本当にそう考えているのだろうか? 僕にはとても信じられない。
感染率と重症化率とを秤にかけたら、感染率のほうがはるかに重要に決まっているじゃないか!わかりやすくするためにデルタ株は感染者数が1週間後に2倍になる感染力で、入院率30%、オミクロン株の感染力は3倍で、1週間で感染者が6倍になるが、入院率は3分の1の10%と仮定する。
現在1日の感染者が1000人とすると、感染者数や入院率はどのように推移するだろうか?
デルタ株では1日の新規感染者数が1週間後に2000人、2週間後に4000人、3週間後に8000人、4週間後には1万6000人になり、このうち約5000人が(一部はすぐに、一部は一定のタイムラグを経て)入院することになる。
一方オミクロン株では1週間後に6000人、2週間後に3万6000人、3週間後に21万6000人、4週間後には129万6000人になり、このうち約13万人が入院することになる。
少なくとも医療への負荷を考えれば、オミクロン株の脅威はデルタ株の比ではないのだ。
今のところオミクロン株による死者の報告はさほど多くなく、致死率は重症化率よりさらに大きな下げ率になっている可能性もある(まだデータが不十分で断定はできない)。しかし例え致死率がデルタ株の100分の1だとしても、上の計算だと4週間後には死者数でさえもデルタ株を上回ることになるのだ(もちろん実際にはタイムラグが生じる)。
すでに大きな感染爆発を経験した欧米であれば感染率の高さはさほど気にならないのかもしれないが、日本の場合、第5波とは比べものにならない大きな波になる可能性が高い。
国民の抗体保有率も気になる。常に一定数以上の感染者がいる欧米では、感染やワクチンでつくられた抗体が、その後も周囲の感染者との軽い接触で再活性化されているケースも多いはずだ。
ところが日本は第5波以降、感染を見事に抑え込んできた分、ワクチンで得られた抗体は活性化されることなく、ほとんどの国民で減弱していると考えて間違いないし、特にオミクロン株に対するワクチンの効力は比較的小さいので、ここからはかなり無防備な状態に戻る可能性が高い。
となれば感染者数は第5波を軽く上回り、日本のあちこちで医療崩壊が生じる恐れあると考えるのが普通だろう。
ブースター接種が進み、治療薬がある程度いきわたるまでは早め早めの行動抑制で乗り切る必要があるのだが、現時点で東京はまん延防止等重点措置の適用を求めていないし、国民にも以前のような危機感がなく、1月8日からの3連休では日本各地で多くの人出がみられた。
僕は去年から日本では早晩オミクロン株の大流行が起き、大変な闘いになるだろうと警告してきたが(
新型コロナウイルス。来年の展開を予想する)、専門家や政治家からは強い危機感が感じられない。
僕が間違っていて、専門家たちが正しいことを、あるいは1日も早く緊急事態宣言が発出されることを願って、今日の記事を終える。
僕、言ったからね!明日はパラドックス大図鑑の続きに戻る予定。
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