オミクロン株と戦うためにこれからできること


オミクロン株の脅威に関しては再三警鐘を鳴らしてきた。

まずは去年12月のブログ。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-664.html

今の日本に必要なのは時間稼ぎ。
入国者の強制隔離を徹底して、オミクロン株の侵入を少しでも遅らせること。いずれ入りこむことは避けられないとしても、マスクや換気の徹底によりできるだけ拡大を遅らせたい。
その間にオミクロン株にも有効とされるブースター接種をすすめ、ファイザーなど有効な治療薬をできるだけ用意し、十分な医療体制を整える。
いずれ日本でもオミクロンの大流行が起きることは間違いない。しかし備えができているかどうかで、社会的混乱や医療状況は雲泥の差となるだろう。

残念ながら体制が整う前に感染が広まってしまったのはご存じの通り。僕はこの時点で青くなった。
なぜなら感染率の強さは重症化率よりはるかに重要だからだ。
1月10日のツイート。
https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1480498645648953347

オミクロン株の重症化率は3分の1だけど感染率は3倍だから医療機関病院への負担は同じという意見をよくみかけますが、感染の方は指数関数的に増えるので負担ははるかに大きくなるはず。
たとえば「6の10乗」は「2の10乗」の6万倍です。医療現場への負担は計り知れない。
本当に皆わかってるのかな?

この時点で感染率が高いことの脅威を正しく理解している人はほとんどいなかったようだ。政治家、専門家の危機感は希薄で、僕のツイートにもあまり反響はなかった。
次は1月15日のブログ。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-686.html

1月13日(木)の全国の新規感染者数は1万8860人。
これがデルタ株であれば予想される新規感染者数の推移は、1週間後の1月20日に2万6000人、1月27日に3万7000人、4週間後の2月10日には7万2000人となる。
第5波でのデルタ株の重症化率0.66%(東京都で人工呼吸器やECMOエクモが必要となった患者の割合 https://www.tokyo-np.co.jp/article/154044 )をそのまま当てはめると、2月10日に感染が報告された人のうち重症化するのは478人ということになる。
一方、オミクロン株で計算すると新規感染者数は1月20日に7万9000人、1月27日に33万3000人、4週間後の2月10日には586万9000人となる。
重症化率が3分の1で0.22%と計算すると、2月10日に感染が報告された人のうち重症化するのは1万3000人と、デルタ株で想定される27倍になるのだ。

この計算よりは少なくすんだとはいえ、1月20日の新規感染者数は全国で4万6200人。明らかに指数関数的な増加がみられる。
この辺で「諸外国の状況を見るとオミクロン株でのピークアウトは早そうだ」という楽観論が増えたのですぐさま反論した。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-692.html

これらの国々ではほとんどの場合、ブースター接種率が高く、それまでの既感染者が多く、かつオミクロン株による感染の波も高い。多くの人々が高レベルの抗体を保有しているのなら、それ以上広がらなくて当然、という見方ができるはずだ。
さらにピーク時の新規感染者数は人口の0.1-0.5%だから、日本の人口換算だと1日に12-60万人。
たとえ短期間であってもこれだけの感染が続けば国全体でみた場合の抗体保有率が十分ではなくても、感染流行地域に住む感染リスクの高い人々には概ね感染がいきわたった可能性がある。

十分な行動規制や自粛があればもちろん(感染の収縮を)期待していい。なくても期待はできるが、その場合は諸外国のように1日の新規感染者数が10万人以上という状態がしばらく続いた後になる可能性が高い。
後者では当然ながら医療は崩壊し、かなりの社会活動が停止を余儀なくされるだろう。

しかしこの時点でも専門家の反応はまだまだニブイ。
一番ひどいのは(いつものように)岩田健太郎氏でイギリスを参考にした上で、
「抑え込みをしないこともプランの一つ」
「オミクロン封じ込め対策は、労多くして功少なし」
とテレビで語りだす始末だ。
それが一部の反自粛派をどれだけ勢いづけることになるか理解できないのだろうか? バカなの?
もちろん僕は即座に反論。
https://fire-earlyretire.com/blog-entry-687.html

イギリスでは人口6700万人のうち3600万人がすでにブースター接種済みなのに加え、この半年間の累積感染者数が1000万人近い。集団免疫に近いものが形成されていると考えるべきだ。
一方、日本ではブースター接種が始まったばかりで、イギリス並みの接種率にするにはどんなに急いでも2-3か月はかかる。
オミクロン株の感染力はデルタ株の3倍以上と考えられており、その場合日本では週ごとに4倍程度感染者が増える可能性がある。計算すると4週間後には256倍だから、1日の新規陽性者数が500万人を超えることになってしまう(とっくに検査キャパを超えているのでこの数字がでることは実際にはないが)。

というわけで、オミクロン株との戦いは概ね僕が悲観した通りの展開になっている。
そして今週はいよいよ本格的に検査が回らなくなる。
日本の検査キャパは最大で1日40万件。これで1日10万人前後の感染者を捉えるのは不可能だ。
つまり多くの発熱難民が生じ、診断の遅れから濃厚接触者の認定も抗ウイルス剤の投与も遅れ、軽症ですむはずの人が重症化、場合によっては死に至ることになる。

ここまで感染が広まってしまえば、もうできることはない。「すべき」だったのは早期に緊急事態宣言を発出すること。
僕は1月9日の時点でそう主張していた。
https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1479991034465886208

これから感染が爆発的に増えるとわかっているのに、なぜ早く宣言を出さないのか不思議でなりません。
病床がひっ迫するまで待つメリットなんてありませんよ。

あの時点で緊急事態宣言が出ていれば今週、遅くとも来週には生じる医療崩壊は防げたはずだ。その間に高齢者へのブースター接種を全力で進めることもできた。
2月末を目安に宣言を解除できる。その後は換気がしやすくなるので、現在起きているような感染爆発は生じにくい。少しずつ感染者はでるものの、医療崩壊は起きないままいずれ収束方向へ向かうだろう。
これがベストに決まっていると僕は思うのだが。

しかし時を戻すことはぺこぱにしかできない。日本は諸外国同様、集団免疫成立まで感染拡大を容認する方向に進んでいるようだ(わかってやっているのかは甚だ疑問だが)。
皆さんに対するアドバイスとしては、とにかく徹底的に警戒して「自分自身」の感染を避けてほしいということ。今週からしばらくは感染してもまともな医療は受けられないと考えた方がいい。
僕がずっと警告してきた修羅場がやってくる。

最後は僕が先々週にしたツイートで。
https://twitter.com/uchiyamasunao/status/1481576799179972609

「多少重症化率が減っても感染率が高ければほぼ意味がない」
「感染率の方がはるかに重要」
という趣旨のツイートを多投してきましたが、多くの賛同をえることはできませんでした。
政治家も専門家もツイッター民も危機感弱すぎ。
ここから2-3か月、日本は修羅場ですよ。

僕、言いましたからね!






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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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