オミクロン株の感染力は実は強くない。今までの人流抑制策で制御できる可能性あり! 肝心の収束時期は?


今までオミクロン株は旧株と比べ感染力が強いと報じられてきたし、僕もそう書いてきた。ところがここにきて、それほどでもなさそうとの説が有力になってきた。

まずこちらは1月19日の記事で西浦博氏に対するインタビュー。
https://www.buzzfeed.com/jp/naokoiwanaga/covid-19-2022-nishiura-1?bfsource=relatedmanual

オミクロンは「感染力が高いからもうダメだ」と思いがちなのですが、過去の他の株と比べてものすごく高いわけではありません。制御可能なレベルであることがわかりつつあるのです。
オランダは年末年始をロックダウン状態で過ごしましたが、ここまでに流行を一定程度、抑えることに成功しており、英国やフランスなどとの移動もあるのに、未だに医療提供体制は逼迫していません。ちゃんと対策をすればオミクロン株でも感染者数が減ることを実証しました。

——オミクロンでは、デルタ株よりも「世代時間」が短くなったと言われています。まず「世代時間」の意味をご説明いただけますか?

世代時間というのは、感染源となる感染者が自分が感染してから2次感染を起こすまでの時間間隔のことを言います。感染から感染までの時間間隔です。
発病から発病までの平均時間も世代時間に近いと言われています。要するに、感染者がどれぐらいのスピードで移り変わるかを示しています。
これまでの世代時間の平均値は、従来株で5日間でした。デルタ株は僕たちの推定では4.7日ぐらいです。
イギリスの研究者でケンブリッジの数理科学出身のアレックス・セルビー氏が分析をして、世代時間が短くなっているのを示してくれました。
デルタ株の平均世代時間はここでは4.6日ですが、オミクロンは2.1日です。今までこの直接的な証拠は十分なかったのですがとうとう出てきました。

つまりオミクロンで感染の拡大が早いのは感染力が強いからではなく、世代の移り変わりが早いためらしいのだ。
同様の内容を1月21日に厚生労働省クラスター対策班の古瀬祐気氏がやはりインタビュー記事で語っている。
https://www.fnn.jp/articles/-/302705

感染力については「強い」ということでなく、感染のスピードが「速い」ということはいえます。その理由は世代期間が短くなっているからです。

例えば6日間かけて6人にうつるウイルスがあるとすると1人が何人に感染させるかという再生産数は6になります。一方、2日間で2人にうつすウイルスがあるとすると再生産数は2となりますが、4日目には4人、6日目には8人が感染することになります。2乗3乗4乗と増えていくわけで、再生産数が小さいとしても世代期間の短いウイルスのほうが速く感染が拡がることになりますが、オミクロン株はこうした特性を持っています。

これは明るいニュース。
もし感染力が強いのであれば、今まで日本が得意としてきた三密回避とマスクによる感染防御が無効化される可能性があった。もし「満員電車で感染する」ということになったら目も当てられない。
しかし感染力は決して強くなく、感染の広まりが早いのは人にうつすまでの時間が短いという理由だけならば、今までの対策が今まで通り有効である可能性が高くなる。
今後感染の収束は予想できるのか?
実は興味深いのはここからで、西浦博氏と古瀬祐気氏はかなり異なる見通しを立てている。
まずは西浦氏。

海外での観察結果を元に考えれば、日本で1月に入って流行が始まったことを考えると、大規模流行に突入した場合には早ければ1月末とか、2月の上旬にピークになるかもしれないということですね。

次に古瀬氏。

南アフリカでは1ヶ月ほどでピークが来て、今は感染者が減ってきていますが、何も対策せずに下がったわけではありません。南アフリカはオミクロン株による感染拡大が起こった初期から強い対策を打っていますし、これまでにベータ株とデルタ株でかなり大きな感染の波を経験したことで、おそらく人口でいうと数10%が自然に感染していて免疫を持ってる可能性があります。加えて、ワクチンも30%程の人がすでに接種してます。
ヨーロッパでもドイツ・オランダ・ポルトガルなどは、かなり強い対策を取って流行の制御を試みています。

僕の考えは今までも書いて来たとおり古瀬氏のものに近い。
オミクロン株は諸外国で「1か月後にさしたる理由なく」収束したのではなく、「局所的にせよ集団免疫に達した可能性が高い」と警鐘を鳴らしてきた。
この場合、1か月での収束シナリオはそもそもの感染者数が諸外国より少ない日本にはまったく当てはまらなくなるのだ。
(参照;諸外国の動きを見るとオミクロン株の感染拡大は早期に収束する模様…って、冗談じゃないよ!
しかし西浦氏、インタビュー序盤では「南アフリカやイギリスのロンドンでは集団免疫が一過性に人口内でできあがることによって減ってきた」ってちゃんと言ってるのに、日本での収束予想になると肝心の「集団免疫」がなくなっちゃってることには自分で気づかないのだろうか?
このお方、算数はできるんだけどその後の論理立てがいつもおかしいんだよな、と批判して今日の記事はお終い。

(下リンクは西浦氏への批判記事)
「8割おじさん」こと西浦博先生と意見交換する機会があったので報告する。
西浦博氏の「中国が抑え込んだから周辺国はその恩恵を受け、ファクターXがあるようにみえた」に反論する。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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