問題;「ちょっと高かったけどラムネで買っちゃった」と言ったとき、「ラムネ」とはなんの意味でしょう?

今日紹介するのはサンキュータツオ著「国語辞典を食べ歩く」。
僕は著者を知らないのだが、末尾の著者紹介によると、「漫才コンビ『米粒写経』として活躍する一方、一橋大学・早稲田大学などで非常勤講師を務める」とのこと。
さらにこうやって本まで出すのだから、なかなか多彩な人のようだ。
内容はというと、現在人気を誇る4種の小型国語辞典の食べ物を一語ずつ取り上げて、語釈の違いを解説しながら、各辞典の特長を明らかにするというもの。
著者によると、岩波国語辞典は「歴史好きで保守派の優等生」、三省堂国語辞典は「新しい言葉に敏感な現代っ子」、新明解国語辞典は「ワイルドで親切な個性派」、明鏡国語辞典は「雑学にも強いスマートな食通」だという。
この『擬人化』を踏まえて比較分析がされていおり、読んでいて楽しい。

本ブログで取り上げるのは131頁からの「ラムネ」。

日本人ならだれしもラムネというと、ガラス玉の入ったあのびんの形を連想するが、どうやらあの形は日本だけのものらしい。イギリス人が特許をとったびんの形でありながら、すでにイギリスからは姿を消しているというのだ。私はふだん、外国人留学生に日本語を教えているので、学生たちにラムネのびんを見せたところ、自分の国では見たことがない、という学生ばかりだった。

ちなみにラムネの語源はレモネード。それが変化してラムネになったのはご存じの方も多いだろう。
そして興味深いのはラムネは「月賦」の隠語でもあったとの解説。

げっぷが出るから「月賦」を「ラムネ」といっていたなんて聞いたことがないけど、どの辞典にも記載があるので、ある時期までは使っていたのだろう。炭酸ならまだほかにもあるじゃないか、コーラとかサイダーとか、と思いそうなものだけれど、ラムネのほうが歴史が古い。明治5年には東京(製造販売の許可を取得した年で、発売自体は慶應元年に長崎でされた)で発売されていたというから驚きだ。月賦の歴史も近代に入ってからのもので、全国的に広まったのは関東大震災以降の消費文化が到来してからだから、実際に使われていた時期は限られているかもしれない。

となると使われたのは昭和初期か。当時の「モボ」や「モガ」が、「このロイド眼鏡、ラムネで買ったんだ」なんて言っていたのかな、と想像すると楽しい。
そして考えてみれば月賦という言葉自体が今はほとんど使われていないと気づく。「分割払い」が一般的だろう。
あれ? となるとローンと分割払いではどう違うんだろう、との疑問がわいたので調べてみたら、分割払いは販売者に直接分割して支払うことで、ローンは銀行などに現金を用立ててもらい、販売者には一括で支払ってから銀行に月々返済していく方式であると知る。
こういう本を読むと、自分でもいろいろ調べたくなるものらしい。

最後は引用で。

日本にはじめてラムネの元祖である炭酸飲料がやってきたのは、ペリーが浦賀に来航したときだという。1853年、交渉にあたった幕府の役人がふるまわれた。ラムネの栓をあけたときの「ポン!」という音を銃声と勘違いした役人たちは、いっせいに刀の柄に手をかけたという。
160年以上がたった今、私たちはラムネの音に驚かないし、帯刀もしていない。






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いくら。塩としょうゆ2種。
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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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