最初に読んだ時は、よく意味がわからずキョトンとした。読み返して、ようやく理解した。Title 働かないオヤジが一日中家にいるということ
思春期の子供から見ると、帰宅後毎日オヤジが家に居るというのは、かなりのストレスではないでしょうか。
しかも、オヤジの悠々自適な過ごし方を見ているのだから、時間管理の大切さなど学習出来るはずがありません。
アーリーリタイアのメリットは色々あると思いますが、一緒に暮らす子供に与える悪影響もかなりあるのではないでしょうか。
そのへんを内山さんはどのようにお考えですか?
Re: 働かなオヤジが一日中家にいるということ
非常に興味深いコメントをいただき、ありがとうございます。
> しかし、中学生の子から見ると、帰宅後毎日オヤジが家に居るというのは、かなりのストレスではないでしょうか。
それがストレスかどうかはわかりませんが、父親の仕事が早朝や夜間だったり、自営業であったりすれば同様なので、うちは特殊なケースではないと思います。
第一、子供には自分の部屋がありますしね。
> しかも、オヤジの悠々自適な過ごし方を見ているのだから、時間管理の大切さなど学習出来るはずがありません。
逆に僕が校正にあたる姿、原稿を書く姿、講演の予行に励む姿を彼は目の当たりにしています。大人が集中する姿を目の当たりにして、自分たちの勉強の仕方を見直すきっかけになったようです。
そういう姿は、会社(僕の場合は病院)勤めをしていては、子供にほとんどみせることができません。
かたや、酒を飲んでリラックスしきった姿もみているので、時間管理の大切さについては、それなりのお手本になっていると期待します。
> アーリーリタイアのメリットは色々あると思いますが、一緒に暮らす子供に与える悪影響もかなりあるのではないでしょうか。
というわけで、今のところ悪影響は感じていません。長く一緒に過ごすことによって信頼感は深まりますし、勉強をみてやれるのもうれしいです。
妻に、家事をこなしながら子供をみろ、というのはかなり無茶な要求だと思っており、平日はろくに子供と接することができない父親より、下校時間には家で待っている父親のほうが、ずっといいというのが僕の感触です。
第一、僕はアーリーリタイアをしたといっても、日々を無為に過ごしているわけではありませんので。
もちろん、今後もうまくいくかどうかは、わかりません。子供の成長にしたがい、弊害がでてくる可能性はあります。注意しながら、対応するしかないでしょう。
人と違う生き方をするのは大変だという意識は、常にもっております。
ただし、基本的には、親はできるだけ長く子供と接するべきだというのが僕の考えです。尊敬する故・河合隼雄先生の受け売りではありますが。
“P55
親は適当に食べ物を取ってきて、子どもと一緒に適当にゴロゴロしてたらいいぐらいなのに、お金儲けに忙しくてなかなか一緒にいてくれない。
だから問題が起きた時に、親は「子どものためにどれだけいろいろしたことか」って言うけれど、子どもに聞くと「お父さんお母さんは何もしてくれてない」って言うんですよ。つまり、子供にとって親が何かをしてくれるというのは、お金を稼ぐことじゃなくて、一緒にいてくれたとか、大事なときに「うん」と言ってくれたとか、そういうことなんです。“
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P113
“ほんとはわれわれだって動物なんだから、動物的感覚で自然に親と子をやったらいい、というところがあるんです。それをぼくら現代人は、さっぱり忘れてきてるわけです。なんのかんのと難しいこと言わなくても、一緒にゴロ寝でもしてた方がよっぽどいい。でもそうしていると、「お父さん、そんなことしてるんだったら、絵本読んであげて」とお母さんに言われたりする。絵本もいいですけど、一緒にごろごろの方がいいときもあるんです。だいたいみんな、根本的な勝負でないところでよい親をやろうと、無用な努力をしている感じです”
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。