昨日に引き続き、タイミング売買の是非について自説を述べたい


昨日も書いたように、僕の知る限りほとんどの経済学者は、「株式は保有し続けるべきであり、タイミングをみて売買したり保有量を変えたりするのは、(そうしたくなる気持はわかるが)まずうまくいかない」と述べている。
そうかもしれない。
でも僕個人としては、ある程度のタイミング売買は有効なのではないかと思っている。
細かい理由はいろいろあるが、一番の理由は長期的にみた場合、世界の株価は順調に右肩上がりを続けているとはいうものの、1990年代後半から上下の振れ幅が以前より大きくなってきているという事実だ。
これには近年の金融工学の発展によるという説や、グローバル規模で金融自由化が進んだためといった意見もあり、はっきりしたことは誰にもわからない。
しかし原因が何であるにせよ、もし今後もこのような激しい変動が繰り返されるのであれば、株式を保持し続けるよりもその時々のマーケットの状況により一部をキャッシュにしたり、またそれを株式に戻したりといったタイミングを売買するほうが、資産を増やす上で有利である可能性が出てくる。
さらに言うと、そうでもしないことには下落局面では神経がもたないかもしれない。
戦前に蓄財の神様と呼ばれた造園家・本多静六氏も、その著書「私の財産告白」(実業之日本社)の中で、
「投資戦に必ず勝利を収めようと思う人は、何時も、静かに景気の循環を洞察して、好景気時代には勤倹貯蓄を、不景気時代には思い切った投資を、時期を逸せず巧みに繰り返すよう私はおすすめする」
と述べている。
そう言われれば、そうかな、と思う。
自らの許容リスクを見誤って冷静さを失ってしまうようなことさえなければ、株価が低迷している時期には思い切って投資し、高騰しているときには一部の利益を確定するということは、経済学者たちが言うほど難しくはないのではないだろうか?


ちなみにここまで、ほとんどのまっとうな経済学者はタイミング売買を否定していると書いてきたが、竹中平蔵氏がタイミング売買について肯定的なコメントをしているのをたまたまテレビで見たことがある。
竹中氏が「年10パーセント程度の運用なら簡単でしょ」と言うので、驚いた司会者が、「どうやったら年10パーセントも?」と尋ねると、
「ETFを安い時に買って、高い時に売ればいい」
と平然と答えていて、テレビを見ながら思わずのけぞってしまった。
その方法で年に10パーセントをコンスタントに稼ぎ出せるとは僕は思わないが(もちろん、竹中氏ならできるかもしれない)、タイミング売買に肯定的なコメントに驚いたため記憶に残っている(10年以上前のお話し)。

僕は個別銘柄の売買はまったく行っていない。
どの株が上がるかなどということは、よほど才能のある人が(貴重な)時間を費やして調査、吟味をするか、あるいはインサイダー情報でもない限りわかるわけがないと考えているからだ。
(もちろん、したい人はすればいい。僕は時間が惜しい)
しかしマーケットをアウトパフォームする努力を一切放棄してインデックス商品をひたすら持ち続けるというパッシブ投資のスタンスも、それはそれで、やや頑なに過ぎるのではないかという気がしている。
その時の経済状況を読み解きポジションを一部動かすことによって、マーケットより若干高いリターンを目指すことはそう難しいとは思えないのだ。

去年、僕はかなり株を売った。今回のロシアによるウクライナ侵攻を予期したわけではもちろんない。バフェット指数など諸指標から考えて、世界は緩和バブルに陥っていると判断したためだ。
このまま下落相場に入るようなら、その時につくったキャッシュポジションで株を買い戻す予定でいる。そう難しいこととはやはり思えない。
タイミング売買の法則については、2017年に出版された自著、“幸せの確率~あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” の中でもかなりのページをさいている。
興味のある方は、ぜひ一度、手に取ってみていただきたい。







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これも妻の作品。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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