エブリシング・バブルの崩壊はいつ起きるのか?


今日紹介するのは今年3月に発売されたエミン・ユルマズ著「エブリシング・バブルの崩壊」。
タイトルにある「エブリシング・バブル」がこの本のキーワードとなる。


「はじめに」から引用。

私は米国株もそろそろファクトリーリセットのタイミングが近づいていると思います。1987年のブラックマンデー以降に始まったFRBによる相場への介入がリーマン・ショック後に加速し、パンデミックで別の次元に移行しました。結果は歴史的な資産バブルです。しかも、歴代のバブルとは違って今回のバブルはありとあらゆる資産において起きています。株式、債券、不動産、暗号資産(仮想通貨)、コモディティ(商品)など多様な資産は、金融緩和をやりすぎたためにバブルになってしまいました。
つまり、本のタイトルにあるようにこれはエブリシング・バブルです。そして弾けないバブルは存在しません。

僕の同じように考えていて、以前書いたと思うが2021年にはかなり持ち株を売却した。
ただしこれは「今が天井」との自信があったわけではない。通常のセオリーでいえば、現在のような利上げ初期に株価はやや値を崩すものの、その後堅調な経済に押されて持ち直し、本格的な下落相場はある程度利上げが進んでから来ることが多い。
となれば天井は数年後ということになり、僕が証券口座内のキャッシュ比率を50%以上にしないのはこの可能性に留意してのことだ。
この点についてユルマズ氏の見解とは意見が異なる。
さらにユルマズ氏はこう書いている。

私は、この本が出る3月ごろには、すでに米国株のピークは終わったことが誰の目にも明らかになり、巨大なバブルの崩壊が始まっていると思う。

う~ん、ここまで断定するのはどうだろう?
実際には本書が発売された3月下旬に米国株はかなり値を戻し、年初につけた最高値をうかがう流れになってきている。
少なくとも「ピークは終わったことが誰の目にも明らか」でないことは明らかなので、ツイッターで
「印刷に入った後に株価が戻しちゃったのかな」
と茶化したところ、著者ご本人から以下のような反論リツイートがきた。
https://twitter.com/yurumazu/status/1508367690750066694

スクリーンショット 2022-04-05 100652

本には「誰の目にも明らか」と書いておきながら、「私には」と置き換えて反論するのはこの方がよくやるすり替えで、せっかく優秀な方なのにもったいないと僕は思うのだが、「自分は正しい」というスタンスを維持しないと商売に関わるのだろうとやや同情的に解釈している。
そしてこういうことが起きるのがツイッターの面白いところだ。

話がそれたが、というわけでユルマズ氏の精緻な分析は興味深かったものの、予想については一致したりしなかたり。
しかしこの本では、予想や分析とは異なる部分で興味深い指摘があったので、明日はそれについて書きたい。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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