「瞑想が必要な人」ほど「瞑想を入り口で否定してしまう」というはなはだ残念な状況について。


今日まで何回かにわたり、ビル・ゲイツ氏推薦の瞑想本、『頭を「からっぽ」にするレッスン(辰巳出版)』を紹介してきた。


最終日の今日は、いくつかの点を別の角度から述べたい。

まずは著者、ブディコム氏によるTEDスピーチのご紹介。2013年とあるから約10年も前のものになる。
スピーチは10分弱と短いので、瞑想に怪しげなイメージを持っている人はまずこれを見てみることをお薦めする。
https://www.youtube.com/watch?v=qzR62JJCMBQ
またブディコム氏が主宰するヘッド・スペースはネットフリックスに瞑想番組をもっている。
この番組ではブディコム氏本人による誘導で瞑想することができるため、特に初心者には瞑想のコツがつかみやすいと思う。これまたおすすめ。

そして最後に、この本のアマゾンでのレビューを覗いてみる。
圧倒的に高評価が多い中、星1つ、あるいは2つの意見も散見され、なかなか興味深かった。

アキラ 2021年4月19日に日本でレビュー済み
瞑想の方法が知りたくてこの本を購入しましたが、瞑想の方法まで至るまでとても回りくどいと感じました。私のようなせっかちな方には合わないと思います。最近の外国の方が書いたこういった本はどの本も回りくどい感じがします。

ううむ。この程度の本で「回りくどい」と感じるような、即時性の高い情報に慣れている人こそ瞑想の効用は大きいのだが、「私はせっかちだから」と理由をつけ、端から拒絶してしまっていている。まあ、そもそも無批判に「せっかちな自分」を容認してしまうようなら、瞑想をする意味もなさそうだが。

M 2021年7月10日に日本でレビュー済み
イラストや図など、ほとんどありません。ほぼ全てのページが文字でびっしりです。
脳が疲れている人には、読むに耐えない本です。
マインドフルネスの本なら、もっと分かりやすい本が、あると思います。
レビューが良かったので、購入しましたが、失敗しました。

なんと、本が「文字でびっしり」と批判されるとは!
この本も読めないほど脳が疲れているのなら、まさに瞑想がお薦めなのだが、こういう人には中身が届かないというジレンマ。

Amazon カスタマー 本当に瞑想できているんですか? 2021年7月12日に日本でレビュー済み
本当に瞑想をしているのか疑うような主観的に偏った文章。
英訳が悪いのか原文が悪いのかは不明ですが、非常に文章が主観的かつゴチャゴチャで読みにくい。
過去のエピソードもその時に起こった感情と事実をごちゃ混ぜにしており、訳が分からなくなる。
また、『だから』とか『そして』という接続詞を重要な結論部分で言ってくれないので、どこからが主旨で主題と例題との区別が付かない。

「本当に瞑想をしているのか疑うような文章」という時点で、この人が瞑想初心者でありながら、すでに瞑想に対して凝り固まった「自論」をもっていることがわかる。
「瞑想している人の文体」なんてものはないんだけどね。
このように思い込みが激しい人にも瞑想は効くのだが、届かない。うむむ。

これらを読んで感じるのは、本来、瞑想をもっとも必要としているような人が、この本を頭ごなしに否定しているという残念な状況。
瞑想は思考を柔軟にするのにも役立つが、この手の本を読むにはそもそもある程度の「頭の柔軟性」が必要とされる。それこそこ本記事の冒頭で紹介した、映像系から入ればまだ理解できたのかもしれない。
ダニング=クルーガー効果を持ち出すまでもなく、この手のジレンマはなかなか解決がむずかしい。
賢明なる本ブログ読書諸君には、ぜひ「柔軟な思考」をもってこの本を読んでみてほしい。
本当に人生が変わる……かも。お薦め。



ランキングに参加してます。ぜひ一票を。
更新の励みになります!
   ↓
にほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活へ
にほんブログ村



IMG_7874.jpg
チーズ入り・ズッキーニの花のフリット。
お料理に興味のある方はこちらの記事をご参照ください。
【我が家お薦めのお手軽料理本】 ベスト3 ~ おいしくて簡単な本を厳選しました!

スポンサーリンク

内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

自著の紹介

ツイッター(更新告知など)

ブログ・ランキング参加中

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

こちらは連絡用です。 コメントはツイッターでのみ受け付けています

全記事表示リンク

プライバシーポリシー

検索フォーム