ジャン=ジャック・ルソー “この世の生活の幸福を求める私たちの計画はすべて幻想なのである。”~幸せの名言

今回はフランスの哲学者、ジャン=ジャック・ルソー(1712年- 1778年)の名言。

“この世の生活の幸福を求める私たちの計画はすべて幻想なのである。”

本当にその通りだと思う。
僕自身、医師としてフルタイムで働いていた頃はそれによって強いストレスを抱えていて、大幅に仕事を縮小したいと考えていた。
僕にはまだ当分は扶養が必要な3人の子供がいるから、それを実現するにはある程度の資産が必要になる。そのために、より仕事に励んで高収入を目指したり、日々の生活で節約を心がけたりしたのに加え、かなりの時間をかけて投資の勉強をし成功を収めた(この経緯は自著『幸せの確率―あなたにもできる!アーリーリタイアのすすめ(セルバ出版)』に詳しい)。
2016年2月、念願だったセミリタイアをはたした時、僕はこう思ったものだった。
「よし、これですべて解決。僕は幸せな人生を手に入れたんだ!」、と。

確かにそれからしばらくの間は大きな開放感に包まれて過ごした。目に映るものすべてが輝いているように見えたし、まるで重力が弱まったかのように身が軽く、自然とスキップするような足取りになったりもした。
平日の昼間から、のんびりと街を散策できるというだけで心が躍り、時にはバーに寄って昼酒を楽しむなんていうこともあった。
それが今はどうか?
怠惰な喜びに身をまかせるのは、すぐに飽きた。
今に至るまで様々な活動や趣味に挑戦していて、もちろん本当に興味のあることに正面から迎えている幸福感はあるが、それにだって慣れてしまえば感動は少しずつ薄れていく(心理学分野では快楽順応と呼ばれる)。
たとえ仕事からのストレスはなくても、風邪をひいたり、肩や腰を痛めたりすれば気分は悪いし、さらに子供の態度が悪かったり問題を起こしたりした時には、ひとりごちることになる。
「やれやれ、いつになったら僕にリラックスした日々が訪れるんだろう?」

人は特定のポイントに自分が幸福になれるかどうかの分岐点があると信じ込む傾向があり「フォーカシング・イリュージョン」と呼ばれている。
学歴であったり、結婚であったり、高級車やマイホームであったり、僕の場合はセミリタイア生活であったり。でもそれらは往々にしてイリュージョン、つまり幻想に過ぎないのだ。
僕が今、心の底から感じていること。それは「すべてが解決した、完全に満ち足りた日々など、いつまで待っても決して訪れてはこない」という事実だ。
たとえ来たとしても、それはほんの束の間で、すぐさま新たな悩みの種が姿を現すことだろう。

幸福になるための計画などナンセンス。
幸せでいるためには、今、この瞬間を幸せに生きるしかないのだ。



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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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