平穏さや満足感を容易に満喫できる人こそ幸福だ。


今日は前回に続き、ドミニック・ローホー著「シンプルだから、贅沢(講談社)」。
ちなみに著者は物を減らすミニマリストとはちょっと違う、いわばシンプルライフの提唱者。フランスと日本を往復しながら暮らしているフランス人女性だ。

p216

“贅沢とは、「幸せになるために、ものはほとんどいらない」と納得することかもしれません。大きな家、一流シェフ並みのキッチンセット、映画スターのような衣装一式などを揃えても幸せになるためには役立ちません。
別な言い方をすれば、贅沢とは物質的な貧しさを恐れないこと、そして窓辺に黄色いラナンキュラスの鉢植えの花を咲かせて優雅に生きていけるということです。
ちょっとしたセンスと知恵さえあれば、お金をかけなくても美味しい料理、暖かい住まい、清潔な衣服を手に入れることができます。
自由な精神、前向きな姿勢、生きていくための最低限の知識と良識があれば、自分とも世の中ともうまくつきあっていけるのです。“

本当にその通りだと思う。実際に物質的な喜びは、長期的な幸福感にはほとんど貢献しないことがわかっている。
自由な精神、前向きな姿勢といったことのほうが、幸せのためにははるかに有意義だし、そういった優雅さこそが「贅沢」であるに違いない。

p226

“楽しみとは日々変化し、一過性であり、漠然としたものです。でも機嫌よくいられるように、私たちは楽しみがくり返されることを望むのです。
心底幸せな人とは、何の変哲もない小さな楽しみをごく自然に見つけ、生きている人を実感しつつ、その尊さを味わえる人だと思います。
それは、平穏さと満足感を人やものの存在なしでも満喫できる人です。
今という時間に生きている幸せを単純に味わうことができ、外界にでなく、自分自身と密接にコンタクトをとる。そうすることで満ち足りた気分になれる人こそ、誰もがうらやむ個性的な人生、自分で自分のために選ぶ生き方を習得しているのです。
これこそが自分の思うままに生きる、自由な生き方なのではないでしょうか。“

さすが日本通の著者。禅の思想にも通じているのが読み取れる。
外的な要素に寄らずとも、生を満喫し、「今を生きる」ことは、人生をより良いものにするためにとても大切だと僕も考えている。

という具合に、心から同意できる素晴らしい文章がたくさんある本なのだが・・・。
どうにも妙な、ところによっては噴き出してしまいそうな個所もかなり存在する。
次回からはこの本のなんとも「お茶目」な側面を紹介したい。






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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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