多くの知人が僕が書いた本 ”幸せの確率 あなたにもできる! アーリーリタイアのすすめ” を買って、読んでくれている。内心どう思っているのかはわからないが、さすがに著者本人の前で酷評する人はいない。
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ということで、僕への直接のリアクションは、「すごくいい」か「まあまあ、いい」に限られてくる。
そんな中、僕の本が「子供がいない人」にウケていることに気づいた。
子供にかかる費用は莫大だ。自著からその部分を引用しよう。
”民間保険会社の調査によれば、子どもが生まれてから大学を卒業するまでの22年間でかかる費用は、教育費の他、食費、服代、散髪代からお小遣いまですべてを合わせると、幼稚園から大学までがすべて公立の場合で、1人あたり約3000万円、私立だとその倍で約6000万円かかるそうです。
一人で家一軒から二軒分ですから、食費での節約分などは、あっという間に吹き飛んでしまいますし、住宅を購入するかどうかだって、これに比べれば些細な問題に過ぎません。
もちろん、Ⅱ章で述べたように、むやみにお金を使わず、しっかりと心のエネルギーを使いながら子供に接することを心がければ、ある程度は出費を圧縮できるでしょうが、それでも大きく、例えば半分に減らすことは難しいでしょう。
22年の間、毎年同じだけお金がかかると仮定すると、公立の学校で計算した3000万円の場合、22で割って、1年間で136万ですから、もし子供をもたずに、そのお金を年利5パーセントで運用すれば、子供がいたら大学を卒業するであろう22年後には、なんと5500万円の資産を得ていることになります。
学校がいずれも私立の場合では、その倍ですから、1億1000万円。すなわち、子供をつくらなければ、子供をふたりつくった場合と比べて、現役世代のうちに1~2億円も多くの資産を手にできる可能性が高いということになるのです。”
ひょっとしたら引用文の最後のところが、独身者、あるいは、子供のいない夫婦を刺激するのかもしれない。
そうか、自分はそんな有利な立場にいるのか、と。
実際、そうなのだ。子供がいなければ、アーリーリタイアははるかに容易だ。
逆にかなりの収入があっても、子供がいるとアーリーリタイアの難易度は上がる。子供への支出はかなり大きいということは述べたとおりだが、それに加え、最終的にいくらになるのかが読みにくい。
それこそ、もし私立の医学部に行きたいなどと言い出したら、などと考え出せば、ちょっとやそっとの資産ではアーリーリタイアには踏み切れない。
さらに、もし引きこもりになったら。離婚して出戻ってきて、実家に住まわせなければならなくなったら、というところまで想像してしまえば、将来の出費は限りない。
アーリーリタイアなど、夢のまた夢ということになってしまう。
僕自身がアーリーリタイアに踏み切れたのは、そういったことに楽観的であろうと決めたからだ。
悲観し始めればきりがない。なんとかなるだろうと開き直って、自分の人生に悔いを残さないことを優先したまでだ。
子供はかわいいし、できる限りのことはしてやりたいが、かといって自分の人生すべてを子供に捧げる気はない。
それにしても、なぜここまで多くの人が子供を欲しがるのか、不思議になることがある。
経済的にあまりにも不利だ。
もちろん、金がすべてではない。子供がいることによる幸せだって、もちろんある。
しかし、子育ては本当に大変で、幼児期、少年期、思春期、親にとってはそれぞれの時期に特有の苦労がある。
僕は幸いアーリーリタイアしたからいいが、現役で働いていて子供がいる人の中には、自分の人生を子供のために犠牲にしているかのような心持ちで日々を過ごしている人も多いのではないだろうか。
現に幸福学の研究で、「人は子供ができると幸福度が下がり、巣立つと幸福度が戻る」というデータもある。これはわからないでもない。
多くの人が不妊に悩んでいる。子供をもたないことにコンプレックスをもつ人もいる。
でも、子供をもってこそ一人前、なんてことは断じてないと僕は思っている。
むしろ子供がいてこそ幸せという感情は、自らの複製を望む遺伝子が仕掛けてくる罠なのではないかとすら感じることがあり、このことについては自著の中で詳述している。自己遺伝子と自分自身との利害は必ずしも一致しないことに、僕たちはもっと意識的であるべきだと思う。
ひょっとして近い将来、子供をもつことは一部のマニアに限られる時代がくるかもしれない。人口は激減し、労働はAIが担当し、個人はそれぞれの幸福により敏感になる、そんな時代だ。
そうなれば資源や食糧の問題も、ほとんどが解決されることだろう。
子供はいてもよし、いなくてもよし。授かれば育てればいいし、授からなければそれでいい。
もっと気楽でいいんじゃないかな、というのが僕の意見だ。
子供が欲しくてもできない人に納得してもらうことが難しいのは、重々承知だけれども。
そしてありがたいことに我が家でも、ようやく子供たちの夏休みが終わろうとしている。疲れた……(←結局一番言いたかったこと)
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