家族に定期的に話すことがある。
どんなに機嫌が悪くても、たとえ喧嘩をしていても、「いってきます」と「おやすみなさい」は可能な限り上機嫌で言いなさい、と。
だって次にまた会えるかはわからない、つまりその後、相手が死んでしまう可能性だってあるのだから。
死を身近に感じる機会がほとんどない息子たちは「まさかあ」と笑う。
そんなとき、僕は真顔で子供たちに説明する。
父さんも母さんも、いつか死ぬ。多分君たちより先に死ぬ。それは今から数十年後の可能性が高いけど、交通事故に巻き込まれたり、発作を起こして死ぬ可能性だってゼロではないんだ。
喧嘩を売るような態度で、
「いってきます」
と吐き捨てるように言って、結局、それが親と交わした最後の言葉になったら、君たちはそのことを一生後悔すると思う。
それが、どの「いってきます」、いつの「おやすみなさい」になるのかはわからない。
でもどこかのタイミングでそれが現実になるかもしれない。世の中、きちんと看取れる死ばかりではないんだ。
喧嘩してもいい。不機嫌なときがあってもいい。
でも「いってきます」と「おやすみなさい」。このふたつの挨拶だけはできるだけ心を込めてしてほしいと、そう説明する。
そんなにしょっちゅう死を意識していたら、日々が暗くならない? と思う人もいるかもしれない。
僕の考えは逆だ。死を意識すればするほど、生がきらめくような色彩を帯びてくる。
今日も精一杯生きてやろうと思えてくる。
毎日、毎日、やりたいことをしっかりやりきって、死ぬときに後悔がない人生にしようじゃないか、とふつふつ気合がみなぎってくる。
こんな考えが子供たちに感覚的に理解できるとは思わないが、それでも僕は定期的に話し続ける。
「いってきます」と「おやすみなさい」は可能な限り上機嫌で言いなさい、と。
そのような生活習慣が、遠くない将来、子供たちになんらかのポジティブな影響を与えるはずと期待しながら。
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