新コロを読み解くヒントは「在外邦人のデータ」にある!?

昨夕、ようやくアベノマスクが届いた。
非常事態宣言の全面解除後の到着とは、いくらなんでも遅すぎだよ。
まるで何かの周到な冗談みたいだ。
ちなみに我が家はマイク不足を妻手製のマスクでしのいできた。
医師という立場上、無理を言えば使い捨てマスクを入手できなくもなかったのだが、より必要としているであろう医療関係者にお譲りすることにした。
感冒様症状の患者を診なくていいのなら、布マスクでもなんとかなる。
子供はどうせ正しい装着ができない。口と鼻が一応覆えていれば、基本的にはそれでいい。

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さて、ここからが本題。
新型コロナウイルスでの緊急事態宣言が、今週の始め、全面的に解除された。
今後、僕らはどのように生活すべきか。
政府も近いことを言及しているが、クラブ(踊るほうも接客のほうも)、ライブハウス、(大声を出すような)コンサート、カラオケ、スポーツジムなど装備や道具を共有する屋内スポーツはやはり怖い。
僕の住む街では、卓球でクラスターが生じている(しかも一部は日をまたいでの接触感染らしい)。
開店にあたっては徹底的な対策がなされるべきだろう。
各業種のガイドラインは、ざっと目を通したところ、なかなか厳しいものになっている。
あとはこれが遵守されるかが問題だ。

居酒屋やパチンコ屋は席数を調整し、換気に気をつければあまり問題はない気がする。
屋外の娯楽施設やスポーツはOK。
ジョギング時のマスクも、もういらないのではなかろうか?
学校は当然OK。
この辺の細かい線引きを行政がしっかりと示してくれればいいのだが、一部産業を名指して長期間の休業を要請することは、補償の問題もあって難しいかもしれない。
となれば引き続き、肝のところは国民の良識に委ねるしかなさそうだ。
こんなやり方で新型コロナを封じ込められるのは日本だけだとつくづく思う。

それにしてもなぜ日本では(そして東アジアでは)感染が広まりにくく、致死率が低いのか。
iPS細胞でお馴染みの山中教授はそれをファクターXと呼んでいる。

候補として挙げられているのは、
・ 感染拡大の徹底的なクラスター対応の効果
・ マスク着用や毎日の入浴などの高い衛生意識
・ ハグや握手、大声での会話などが少ない生活文化
・ 遺伝的要因
・ BCG接種など、何らかの公衆衛生政策の影響
・ 2020年1月までの、何らかのウイルス感染の影響
・ ウイルスの遺伝子変異の影響

ここにはないが、「唾が飛びにくい日本語の特性」、「低い肥満率」も関係しているという意見がある。
ファクターXが何であるのかを突き止めることは、この秋にも来るかもしれない第2波に備える意味でも重要だし、世界へのメッセージにもなる。
それに何より、知的好奇心を掻き立てられる。

個人的に興味をもっているのは在外邦人の感染状況で、これが詳しくわかればかなりのヒントになりうる。
たとえば日本で生まれ育ちニューヨークで生活している人は、日本人としての遺伝子をもち、ほとんどがBCG接種を受けているが、マスク、ハグなどに関しては、欧米スタイルに適合していたはずだ。
知る限り現時点で報道されているのは、
「5月14日時点で感染者93人、うち7人の死亡を確認」
という、5月15日の衆院外務委員会での報告のみ。
死亡率が高い気がしないでもないが、サンプル数が少なく、国別の内訳や年齢は非公表になっているので、これだけで何かを断定するのは難しい。

逆に、日本に住んでいる欧米人の状況なら把握しやすいはずだが、日本では早期に感染を抑え込んだため、サンプルが集まらなそうだ。
それに欧米人の場合、生活スタイルを日本式に変えない人も多い。

はたしてファクターXは何なのか。
これがわかれば、新しい生活様式のあるべき姿がわかるかもしれない。

世界中が注目するこの問題に対し、不詳・内山直が、明日、自分なりの考えを述べたい。
すでに論理展開の輪郭は描けている。
でも、なんだか長くなりそだなあ。

がんばってまとめるので、乞うご期待!


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マンゴームース。美味。

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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