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“私なりに幸福を定義するとしたら、「人生を愛せること」という一言で表せるだろう。その意味は、自分が今ここで送っている人生、喜びが得られる安定した人生に限らず、不確かさも含めた、人生そのものを愛せるということである。明日の自分を待ち受けているのは、喜びなのか悲しみなのか、楽しい出来事なのか不快な出来事なのか、予測できないのが人生である。それは絶えず浮き沈みし、光の部分もあれば闇の部分もあり、楽しみもあれば苦しみもある。幸せであるとは、そういう人生を丸ごと愛せるということである。(中略)
苦しみというものを、不幸と混同してはならない。一見矛盾しているように思えるが、人は苦しみを抱えていても、幸せを感じることができる。苦しみは避けられなくても、不幸は避けられるものなのだ。苦しみを体験しながら、それでも幸せでいられるのは、その体験が一時的なものだとわかっているからである。苦しみは普遍的だが、不変なものではない。人は誰でも例外なく苦しみを体験するが、それによって誰もが不幸せになるわけではないし、苦しみが常に人間を不幸にするとは限らないのである。(中略)
要するに、幸福感も不幸感も、各人の精神が生み出すものだということである。“
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内山 直
作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。
「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。