日に当たり、体を動かし、家族や友人を大切にする。それができないほど忙しいなら、仕事を減らすべき!


昨日は少し飲み過ぎたようで、頭がフワフワしている。
ただし二日酔いというほどではない。
考えてみればアーリーリタイアして以来、二日酔いというものをほとんどしなくなった。
現役医師時代は、休みの前日以外は飲みに出ないと決めていたが、それでも飲みに出れば大抵は午前様で、翌日は二日酔いだった気がする。
それだけストレスが強かったのだろう。溜まった鬱憤を晴らすための酒は、どうしても行き過ぎる。
我ながら、実によく飲んだ。

朝まで飲むことも度々あった。クラブがはけたあと、お姉さまとはしご酒。
最後の店を出た時、すでに日が昇っているのを見て、
「朝帰りかあ。浮気でもしてたんじゃないかと妻に勘違いされると困るな」
そうつぶやくと、その子が
「奥様に疑われないように、持って行って」
と言って、他の客からもらったという、土産の餃子を押し付けてくる。
ありがたく頂いたが、なぜ餃子を持って帰ると浮気しなかったことになるのか、よく考えるとわからない。
お互い酔っていたのだろう(そりゃ、間違いない)。

飲むときは2升まではいかなくとも、1升半くらいはいけた。
今は1晩で1升などとても飲めない。5~6合も飲めば、ハラホラヒレ……となる。
そしてこの量では二日酔いにはならないところを見ると、僕の二日酔いラインは6合から1升の間のどこかにあるようだ(もちろん体調にもよる)。
飲むための体力が落ちたとは思わない。運動量が増えた分、むしろ以前よりも持久力が増したのではないか。酒の飲み方に関しては、やはりストレスが減ったことが大きいように思える。

現役医師時代、僕のクリニックはありがたいことに人気があったから、多いときは半日で約200人の患者さんが受診された。よくあれだけ仕事をして、あれだけの酒を飲んだものだ。
今の静かな暮らしぶりから考えると、正気の沙汰とは思えない。あのままの生活を続けていたら、今頃は倒れていたかもしれないと、ぞっとする。
暮らしをまっとうなものにするのは、今考えれば簡単な話だ。
適度に日に当たり、体を動かし、家族や友人とのひと時を大切にする。この3つさえきちんとしていれば、健康面でも、精神面でも、安定した状態を保つのはそう難しくはない。
食べるためではなく、社会的地位、あるいは高価な車や服を得るために、ぎりぎりのところまで自分を追い込むような働き方をするのは、動物として自然な営みではないと思う。
過剰な欲望や、人工的な便利さに溺れてはいけない。人間の肝は絶対にそんなところにはない。

と、ぼーっとした頭でぼんやりと考えてみた。




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なめろう。

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内山 直

作家、医師、医学博士。
1968年新潟県新潟市に生まれる。新潟大学医学部卒業、同大学院修了。
2004年に独立し自分のクリニックを立ち上げ、「行列のできる診療所」として評判を呼ぶが、その後アーリーリタイアメントを決意。
2016年2月、クリニックを後輩医師に譲りFIRE生活を開始する。
地方都市でゆるゆると生息中。

「お金、地位、美貌」で得られる幸福はたったの10%で遺伝が50%とされています。
残りの40%に目を向ければ、幸せはすぐにやってくる!をキャッチフレーズに幸福の啓蒙活動を継続中。

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